桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)について
桂枝加芍薬湯は、漢方処方の一つであり、比較的体力がなく、腹痛があり、便秘がちまたは下痢しやすい方の、しぶり腹、腹痛、下痢、便秘などの症状に用いられます。体力中等度以下で、腹部膨満感や便通異常を伴う場合に適しています。
(一般的に、桂枝加芍薬湯は複数の生薬が配合された粉末または顆粒状の製剤として提供されます。錠剤やエキス顆粒など、メーカーによって剤形が異なる場合があります。)
主成分
桂枝加芍薬湯は、以下の生薬から構成されています。
- 桂皮(ケイヒ): 3.0g
- 芍薬(シャクヤク): 6.0g
- 甘草(カンゾウ): 2.0g
- 大棗(タイソウ): 3.0g
- 生姜(ショウキョウ): 1.0g
(上記は一般的な成人1日量に含まれる生薬の分量であり、製品によって若干異なる場合があります。)
分類
- 漢方製剤
効能・効果
比較的体力がなく、腹痛があり、便秘がちまたは下痢しやすいものの次の諸症
- しぶり腹
- 腹痛
- 下痢
- 便秘
ここでいう「しぶり腹」とは、排便後も便が残った感じがして、すぐにまた便意をもよおす状態を指します。
用法・用量
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 顆粒剤の場合、そのまま水または白湯で服用するか、お湯に溶かして服用することもできます。
副作用
漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、体質や症状によっては以下のような副作用が現れることがあります。
- 消化器系: 胃部不快感、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢
- 皮膚: 発疹、発赤、かゆみ
まれに、重篤な副作用として以下のものが報告されています。
- 偽アルドステロン症: 低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、手足のしびれ、筋肉痛などが現れることがあります。長期連用により起こりやすいとされています。
- ミオパチー: 低カリウム血症の結果として、脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。
- 肝機能障害: AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPなどの上昇を伴う肝機能障害が現れることがあります。
- 腸間膜静脈硬化症: 長期服用により、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満などが繰り返し現れることがあります。
これらの副作用が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
その他
- 本剤は天然物(生薬)を用いていますので、製品によって色や味が多少異なることがあります。
- 他の医薬品(特に利尿剤、グリチルリチン酸やその塩類を含有する製剤)との併用には注意が必要です。必ず医師または薬剤師に相談してください。
- 高齢者、妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性、体の虚弱な人、胃腸が弱い人、食欲不振、悪心、嘔吐のある人などは、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
- 小児の服用については、医師または薬剤師の指示に従ってください。
- 症状の改善が見られない場合や、悪化する場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
- 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
- 小児の手の届かない所に保管してください。
- 誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れ替えないでください。
- 使用期限を過ぎた製品は服用しないでください。
注意事項
この情報は桂枝加芍薬湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
より詳しい情報が必要な場合は、製品の添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。