清心蓮子飲

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)について

清心蓮子飲は、漢方処方の一つであり、比較的体力が中等度以下で、胃腸が弱く、全身倦怠感があり、口や舌が乾き、尿が出しぶる方の、様々な排尿に関する症状やおりもの(こしけ)の改善に用いられます。

主成分

清心蓮子飲は、複数の生薬から構成される複合処方です。主な生薬として以下のものが含まれます。

  • レンニク(蓮肉): ハスの種子で、滋養強壮、精神安定作用があるとされます。
  • ブクリョウ(茯苓): サルノコシカケ科のキノコの菌核で、利水作用、健脾作用があるとされます。
  • オウゴン(黄芩): コガネバナの根で、抗炎症作用、解熱作用、止瀉作用があるとされます。
  • バクモンドウ(麦門冬): ジャノヒゲの塊根で、潤肺止咳、益胃生津作用があるとされます。
  • ニンジン(人参): オタネニンジンの根で、滋養強壮、健胃作用があるとされます。
  • カンゾウ(甘草): マメ科の植物の根やストロンで、抗炎症作用、鎮咳去痰作用、緩和作用など多くの薬理作用があります。
  • シャゼンシ(車前子): オオバコの種子で、利尿作用、鎮咳去痰作用があるとされます。
  • モクツウ(木通): アケビなどのつる性の茎で、利水通淋作用があるとされます。
  • オウギ(黄耆): マメ科の植物の根で、利尿作用、止汗作用、免疫賦活作用があるとされます。
  • シャクヤク(芍薬): ボタン科の根で、鎮痛作用、鎮痙作用、収斂作用があるとされます。

注意点: 生薬の構成は、製造メーカーや製品によって若干異なる場合があります。詳細な成分については、各製品の添付文書をご確認ください。

分類

  • 漢方製剤

効能・効果

体力中等度以下で、胃腸が弱く、全身倦怠感があり、口や舌が乾き、尿が出しぶるものの次の諸症:

  • 残尿感
  • 頻尿
  • 排尿痛
  • 尿のにごり
  • 排尿困難
  • こしけ(おりもの)

用法・用量

  • 通常、成人には1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に水またはぬるま湯で経口投与します。
  • 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
  • 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
  • 顆粒剤やエキス剤の場合、そのまま服用するか、水またはぬるま湯に溶かして服用します。錠剤の場合は、水またはぬるま湯で服用します。

副作用

主な副作用として、以下のものが報告されています。

  • 消化器: 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢など
  • 皮膚: 発疹、かゆみなど

重大な副作用

まれに、以下の重大な副作用が現れることがあります。初期症状に注意し、異常が認められた場合には直ちに服用を中止し、医師の診療を受けてください。

  • 間質性肺炎: 階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする、空咳、発熱等がみられ、これらの症状が急にあらわれたり、持続したりする。
  • 偽アルドステロン症: 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。
  • ミオパチー: 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。
  • 肝機能障害: 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。

その他

  • 本剤にはカンゾウが含まれているため、血清カリウム値や血圧値の変動に注意が必要です。
  • 他の漢方製剤などを併用する場合には、含有生薬の重複に注意してください。
  • 1ヶ月位服用しても症状がよくならない場合は、服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。

注意事項

  • この情報は清心蓮子飲の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
  • より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。