牛乳をはじめ乳製品が一番
欧米人に比べて日本人のカルシウム摂取量が少ないのは、牛乳をはじめ乳製品の摂取が格段に少ないからであることがはっきりしています。
日本人の全カルシウム摂取量のうち、乳製品からは27%しか摂っていません。
ところが欧米人では70%のカルシウムを乳製品から摂っており日本人の5倍も摂っていることになります。
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品はカルシウムの吸収率もよいため、手軽に摂れるカルシウム源としてもっと利用すべきでしょう。
いまよりカルシウムを1日200〜400ミリグラムふやしたいと考えたら、乳製品が一番高率がよいのです。
大豆製品をかならず毎日1品
大豆製品は良質なタンパク源として知らていますが、カルシウム源としても豊富です。
さらに骨の健康に大切なことがわかってきたイソフラボンという成分を豊富に含むために、ぜひ1日に1品は食べるようにしましょう。
大豆製品は味噌、豆腐、厚揚げ、おから、納豆と種類も豊富で和食にぴったりです。
なかでも納豆は優れた発酵食品で、ビタミン類も豊富でビタミンKが骨折を予防します。
その他、納豆には免疫力を強化したり、動脈硬化を予防するなどの効果もあります。
魚や海藻にはビタミンDも豊富
魚にはカルシウム以外にビタミンDや、血管の老化を防ぐEPAや、脳の活性化によいと言われるDHAも豊富ですから、さんま、アジ、サバ、マグロ、イワシなどを使った料理を毎日のメニューに取り入れたいものです。
また、ひじきやワカメ、昆布もカルシウムやミネラルが豊富なのにカロリーはゼロですから他の食材と組み合わせてたっぷり摂るようにしましょう。
野菜のカルシウムも欠かせない
切り干し大根、小松菜、チンゲンサイ、ほうれん草はカルシウムも豊富ですし、食物繊維や抗酸化物質であるフラボノイドが豊富な貴重な栄養源です。
消化管からのカルシウムの吸収率はあまりよくありませんが、その分、おひたしや鍋物などにしてたっぷり食べる調理法を日本人は身に付けています。
ぜひ、毎日欠かさずに摂るようにしたいものです。
骨とカルシウムの役割
骨の役割は大きく分けて2つあります。
ひとつは、身体という構造物を支える柱のような役割で、もうひとつはカルシウムの貯蔵庫の役割です。
ヒトの場合、カルシウムの99%は骨に存在します。
残り1%は血液、神経、筋肉などに存在し、血圧や神経の働きを調整したり、血液や体液の状態を一定に保つなど、生命活動に関わる重要な働きをしています。
血液中のカルシウム濃度は一定に保たれていますので、食事中のカルシウムが不足すると、骨から不足分が補われます。
いつも骨からカルシウムが補充されていると、骨のカルシウム量すなわち骨量が減少してしまいます。