姿勢反射障害とは

背筋が強くなり腹筋が弱くなって前かがみになる

体のバランスがとれなくなって転びやすくなることを、姿勢反射障害といいます。姿勢反射障害は初期にはあまりみられませんが、病気が進行すると目立ってきます。

パーキンソン病の患者さんは、立っているときは背中を丸めた前かがみの姿勢になります。これは背中の筋肉が強くなって、お腹の筋肉が弱くなるためです。

つまり背中とお腹の筋肉のバランスが悪くなるので、膝を少し曲げた状態で、前かがみの姿勢になって崩れたバランスを修正し、ようやく立っているのです。ですから患者さんの背筋を無理に伸ばそうとしたり、姿勢を正そうとしたりすると、後ろに倒れてしまうでしょう。

病気がさらに進むと、体が斜めに傾くこともあります。パーキンソン病の進行を遅らせるためにはリハビリがとても有効なのですが、リハビリでは、弱くなった腹筋をいかに鍛えて強くするかがポイントになります。

歩くときは小さな歩幅でヨチヨチと、足があまり上がらないので、すり足で歩きます。そしていったん歩き出すと、止まったり方向転換をすることが上手にできず、病気が進行すると小走りに前に進む突進と呼ばれる現象がみられることもあります。
次の『自律神経の乱れによる症状』へ