遺伝子治療について

ホーン・ヤールの重症度分類Ⅳ度の患者さんが歩けるようになった例も

パーキンソン病の治療法には、さまざまな薬、手術、リハビリ、鍼など、たくさんのバリエーションがあります。ですから、あきらめないで、その中から自分の症状に合った、体にやさしい治療法を選ぶことが大事です。

現在、パーキンソン病の新しい治療法として注目されているのが、遺伝子治療です。

ドーパミンを出す遺伝子を脳に直接入れるというもので、薬では無理な、病気そのものを治す効果が得られるのではないか、と期待されています。これまではその遺伝子を何にのせて脳に届けるかが問題でしたが、さまざまな研究の結果、PSウイルスというかぜのウイルスに遺伝子をのせることに成功しました。

そして、実際に2007年、自治医科大学附属病院でパーキンソン病の患者さんに遺伝子治療が行われ、ホーン・ヤールの重症度分類でⅣ度以上の自力では歩けなかった人が、歩けるようになったそうです。

ただし、遺伝子治療はまだ健康保険が適用になっていないので、自費診療となります。かなり高額なため、現時点では費用の点がネックになるでしょう。今後の進展が待たれるところです。

次の『鍼治療について』へ