肥満と肥満症とメタボリックシンドロームの違いって?

糖尿病と肥満、メタボリックシンドローム

2型糖尿病の大きな原因のひとつは肥満です。

肥満にはお腹や腰の周りなどの皮下に脂肪が蓄積する皮下脂肪型肥満と、腸間膜のまわりに脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満の2つがあります。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪型の肥満で、なおかつ高血糖高血圧脂質異常症のうち2つ以上を合併している状態をいいます。

メタボリックシンドロームを判定するときに重視されるのが肥満度です。肥満度はBMIで計測することができるのですが、BMIが25以上の人は肥満と判定されます。

また、BMIが正常値でも腹囲が男性で85センチ以上、女性で90センチ以上、もしくは内臓脂肪面積が100平方センチメートル以上の場合は内臓脂肪型肥満と判定されます。そのうえで血糖値や血中脂肪、喫煙の有無などを考慮しメタボリックシンドロームかどうかを判定します。

肥満と肥満症の違い

肥満症という言葉がありますが、肥満と肥満症の違いはなんでしょうか?

肥満はBMIが25以上あるいは体脂肪が溜まった状態をいい、肥満症はBMI30以上の重度肥満や、あるいは減量が必要な健康障害を起こしている場合に診断されます。

肥満は生活習慣病予防の対象であっても病気ではありませんが、肥満症は治療が必要な生活習慣病です。

肥満を解消するには

メタボや糖尿病の原因となる肥満を解消するには食事と運動です。

なかには運動が嫌いなので食事だけで改善したいという人もいるかと思いますが、食事だけで肥満を解消することは可能でしょうか?

実は、食事量を減らすだけでは生活習慣病予防にはなりません。なぜかというと、食事を減らすと脂肪よりも先に筋肉が減ってしまい、体重を減らすことは出来ても体脂肪が多い隠れ肥満になるからです。

食事だけで肥満を解消しようとすると栄養バランスが崩れてしまい太っているのに栄養失調になることもあるので注意が必要です。

理想的なダイエットとは栄養バランスのよい食事と適度な運動に尽きます。残念ですが楽して近道というのはありません。

しかし、無理は禁物です。最初から激しいメニューでダイエットをしても三日坊主では意味がありません。日常のなかで無理せずできる運動から取り組みましょう。

大事なのは自分にあった方法を毎日続けることです。エスカレーターは使わずに階段を使う、歩くときは歩幅を広く気持ち速めに歩くなどです。これが習慣になれば肥満解消に向けた大きな一歩を踏み出したことになります。