糖尿病初期でも合併症の危険はある
2型糖尿病の初期段階は自覚症状がほとんどありません。医師から血糖値が高くなっていますよと言われても、痛みや目に見える変化がないので血糖値が高いと感じることがありません。
そのため、糖尿病と診断されても治療を受けずに放置する人は治療を途中で放棄する人も少なくありません。最近の調査では、糖尿病と診断されたのに、治療をしない人、中断した人は糖尿病患者の半数近くいることが分かっています。
治療をせずに何年も放置していると、糖尿病が進行し糖尿病性昏睡（ケトアシドーシス）と呼ばれる意識不明の状態になることもあります。
糖尿病性昏睡は、糖尿病がかなり進行してから発症する急性合併症なのですが、それよりも恐ろしいのが慢性合併症です。
慢性合併症は、血糖値が高い状態が長く続くことで発症する様々な病気です。治療をせずに放置していたことで、数年後に重度の合併症を抱えて病院に戻ってくる人が後を絶ちません。
合併症の根本的な原因は、血液中に増えすぎたブドウ糖が、血管や神経に悪い影響を与えてしまうことです。そのため、体中のあらゆる場所で合併症がでてもおかしくない状態になるのです。
糖尿病の合併症
糖尿病の合併症で代表的なものは、3大合併症と呼ばれる障害です。
糖尿病性網膜症は失明する可能性もある目の病気で、糖尿病性腎症は腎臓病になる可能性がある危険な病気で、糖尿病性神経障害は足が壊死する病気になることもあります。
その他にも、心筋梗塞や脳梗塞など、生命に関わる病気や、動脈硬化の原因となる脂質異常症や高血圧、最近では歯周病や認知症、睡眠時無呼吸症候群や癌なども糖尿病の人の発症頻度が高いことがわかってきました。
こうした合併症にならないためにも、糖尿病と診断されたら放置せずに、すぐに治療に取り掛かることが大切です。