糖尿病と不眠症の意外な関係

増え続ける不眠症

24時間営業のファミレス、コンビニ、年中無休のスーパー、いつでもどこでも繋がるインターネットなどなど、現代日本は昼夜を問わずなんでもできる便利な社会になりました。その影響なのか、時代と並走するように不眠症に悩む人が増えています。

最近の調査では日本人成人男女の実に5人に1人が不眠を訴えているという結果が出ています。この数値は高齢になるほど高くなり60歳以上では3人に1人が不眠の悩みを抱えており、成人の20人に1人が睡眠薬を服用しています。

不眠症の合併症状

不眠症の人は糖尿病、高血圧、うつ病などの病気になりやすいこともわかっています。なかでも睡眠時無呼吸症候群の人の場合は、放置しておくと糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こし、更に動脈硬化を患うと心臓病や脳卒中のリスクも高くなります。

この睡眠時無呼吸症候群の最大の原因は肥満です。肥満により気道がせまくなり睡眠時に筋肉が弛緩したときに気道が塞がってしまい呼吸がくるしくなるのです。肥満は2型糖尿病のリスクのひとつでもありますが、同時に不眠症が肥満を引き起こす原因になることも明らかになってきました。

不眠症を抱えており同時に肥満傾向にある人は、肥満を解消することで、不眠だけでなく糖尿病の予防にもつながります。そのためには日々の食生活に注意し適度な運動をすることが大切です。

規則正しい睡眠で生活習慣を改善

睡眠不足は、それだけで血糖値を高くすることもわかっています。健康な人でも睡眠不足の状態になるとインスリンは通常通り分泌されているのに朝食後の血糖値が高くなることが研究により報告されています。

不眠症を解決するためには、毎朝決まった時間に起床し、日光浴をすること、日中の活動量をふやし夜にしっかり睡眠をとることです。理想的な睡眠時間は個人差はありますが平均して8時間前後が目安になります。規則正しい生活をすることは肥満の改善にもつながります。ぜひ生活習慣を見直して不眠症、肥満、糖尿病の負の連鎖を招かないように気をつけましょう。