血糖値のコントロールは膵臓の負担を減らすことから

膵臓の負担を減らす血糖コントロール

医師から糖尿病と診断をされたら自覚症状がなくてもすぐに治療を開始しなければいけません。

糖尿病治療の基本は、高くなった血糖値をできるだけ正常な値に戻し、膵臓の負担を減らすことです。自覚症状がなくても、糖尿病と診断された時点で膵臓の機能は健康な人の半分程度まで低下していると考えてよいでしょう。

この状態で、血液中にブドウ糖が多い状態(高血糖)が続くと、膵臓はブドウ糖を減らすためにインスリンを分泌し続け、最終的には膵臓が疲れてしまい機能が低下します。

つまり治療をせずに放置しておくと膵臓は体に必要なインスリンを分泌できなくなるほど機能が低下し、インスリンを外から注射して補うしか方法がなくなってしまうのです。

逆に、糖尿病の初期段階で適切な治療を行えば、膵臓の機能が回復することもあります。

また、膵臓の負担を減らすことは、糖尿病の進行を遅らせるだけでなく、血糖値が高い状態が続くことによって引き起こす合併症を予防するためにも、糖尿病治療は絶対に行わなければなりません。

血糖コントロール目標

糖尿病の合併症を予防するには、ヘモグロビンA1c(HbA1C)値は7.0%未満が目標値です。それに対して空腹時血糖値は130mg/dl未満、食後2時間血糖値は180mg/dl未満が目安になります。ただし、血糖コントロールの目標値は年齢や糖尿病の発症期間、合併症の有無などで変わります。

日本糖尿病学会が2014年にヘモグロビンA1c値の表記が従来のJDS値からNGsp値(JDS値+0.4%)に変更されていますが目標値が緩くなったわけではないので注意してください。

血糖値が高いのに治療を受けずに放置すると、10年後、20年後に重篤な合併症が発症します。糖尿病と診断されたらすぐ治療を受けるようにしましょう。

目標 血糖正常化を目指す際の目標 合併症予防のための目標 治療強化が困難な際の目標
HbA1c(%) 6.0未満 7.0未満 8.0未満