糖尿病治療の3本柱とは

食事療法は糖尿病治療でもっとも重要

糖尿病治療の3本柱といわれているのが、食事療法、運動療法、薬物療法です。

なかでも重要なのはエネルギーの出入りに大きく関与してくる食事療法です。

糖尿病になると、食事で摂取した糖質をエネルギーにうまく代謝できないので血糖値が高くなり、膵臓に大きな負担がかかります。そこで、膵臓の負担を減らすように食事による摂取エネルギーの量を減らして血液に入る糖質量を抑えながら栄養バランスのとれた食事を摂ることで、血糖値の急激な上昇を防ぎ、血糖値が高くならないように調整します。

運動療法の基本は血糖値を下げて肥満を解消すること

運動療法の一番の目的は肥満の解消です。肥満は糖尿病の大きな原因のひとつです。肥満になり内臓脂肪が増えることで、太った異常な脂肪細胞ができて、そこからインスリンの働きを低下させるホルモンが分泌します。

運動をして肥満を解消することで、脂肪細胞が減り、インスリンの効果を高めるホルモンが分泌されます。

筋肉を使うことで、筋肉にブドウ糖が取り込まれるので運動量を増やせば血糖値も下がります。

肥満度が高くなくても、40歳を過ぎると基礎代謝が急激に低下するのでブドウ糖の消費が減ってきます。

基礎代謝とは心臓を動かしたり食べ物を消化吸収するなど、私たちが何もしていない状態でも行われるエネルギー代謝です。

運動をして筋肉がつくと基礎代謝があがり、減った分のエネルギー代謝を補うことも可能になるのです。運動不足だった人が運動を取り入れることでブドウ糖の消費が多くなり、血糖値をコントロールすることができるのです。

食事療法と運動療法を行っても血糖値が高い状態が続くと薬物療法を行います。薬物療法には飲み薬と注射による治療があります。糖尿病の進行度合いで治療法が使い分けられます。薬物療法を開始しても、治療の基本は食事療法と運動療法であることを忘れないでください。