1型糖尿病の治療

治療はインスリン療法

1型糖尿病は何らかの原因で膵臓のベータ細胞が壊れてインスリンの分泌がゼロに近い状態になる病気です。ほとんどの場合は小児で発症する場合が多い病気ですが、大人になってから発症する場合もあります。

1型糖尿病の治療はインスリンを必要な量だけ注射で補うインスリン療法です。健康な人の場合、生きるために必要な心肺機能を動かすエネルギーを作るために分泌される基礎インスリンと、食事で吸収したブドウ糖をエネルギーに変換するために分泌される追加インスリンがあります。

インスリン製剤は薬が作用する時間によって、超速効型、速効型、混合型、中間型、持効型インスリンという具合に分類されています。

インスリン療法は、長時間作用する中間型や持効型のインスリンを基礎インスリンとして寝る前に注射し、作用時間が短い超速効型、速効型を食事の前に追加インスリンとして注射する強化インスリン療法を基本として、年齢やライフスタイルや血糖コントロールの状況に応じて、種類や量を決めていきます。

最近では、インスリン持続皮下注入療法(CSII)や、インスリンポンプ療法と呼ばれる小型の携帯用インスリン注入装置を使って超速効型のインスリンを皮下から持続的に注入する方法も広まってきました。

血糖コントロールを自己管理

2型糖尿病と違い1型糖尿病は食べ過ぎや肥満などが原因でかかる病気ではありません。しかし、1型糖尿病でも肥満になると、インスリンの効果が悪くなり、血糖コントロールが悪くなるので、健康的な食事と運動を心がけることが重要です。また、良好な血糖コントロールを保ちつつ、高血糖、低血糖にも注意をしなければなりません。

そのためには、自分で血糖値を計測する血糖自己測定を行い、注射の量を自分で加減できるようにすることが必要です。

1型糖尿病でも血糖コントロールが上手にできれば、健康な人と同じように生活することができます。