糖尿病の症状にはいくつかの種類がある

糖尿病の9割は2型糖尿病

糖尿病は1型糖尿病、2型糖尿病、妊婦糖尿病、その他の糖尿病の4つに大別されます。

1型糖尿病はインスリンを分泌する膵臓のベータ細胞の機能が生まれつき低いか、何らかの原因で機能しなくなりインスリンが殆ど分泌されないタイプの糖尿病で、子どもや若い人に多く見られます。1型糖尿病の原因は特定されていませんが自己免疫反応ではないかといわれています。自己免疫反応とは外部から侵入した異物を排除する免疫機能がこわれ自分自身の細胞を攻撃してしまう状態です。1型糖尿病は急激に発症する劇症1型と数年かけて発症する緩徐進行1型があります。

2型糖尿病は、膵臓の働きは正常だが、生活習慣の乱れによってインスリンの働きが低下したり、分泌量が減少することで起こります。日本人の糖尿病の約9割が2型糖尿病です。2型糖尿病は生活習慣の改善で予防したり進行を遅らせることができます。

妊婦糖尿病とその他の糖尿病

妊娠中の糖尿病には、糖尿病の人が妊娠する糖尿病合併妊娠と、妊娠糖尿病という、妊娠中に発症し、糖尿病に至っていない糖代謝異常があります。妊娠糖尿病の大半は一時的なもので出産後に正常に戻りますが、なかには数年後に糖尿病になってしまうケースもあるので安全な出産のためには妊娠中の血糖コントロールが重要です。

その他に、何らかの病気が原因で発症する二次性糖尿病もあります。二次性糖尿病の原因は膵臓病や肝臓病、感染症、遺伝子異常などがあり、副腎皮質ホルモン剤などの副作用でも糖尿病が引き起こされます。

以前は、1型糖尿病はインスリン依存型糖尿病2型糖尿病はインスリン非依存型糖尿病と呼ばれていました。

1型糖尿病と2型糖尿病の比較

1型糖尿病 2型糖尿病
発症年齢 若年(20歳以下に多い) 中高年(40歳以降に多い)
体型 痩せ型に多い 肥満型に多い
発症の原因 膵臓のベータ細胞が自己免疫反応により破壊されて発症 遺伝的資質に肥満や運動不足やストレスなどの環境要因が加わり発症
症状の現れ方 突然発症する。糖尿病特有の症状がすぐに現れ病状は急激に進行する 自覚症状がなく発症時期の特定が難しく症状の進行は遅い
治療方法 インスリン注射 食事療法と運動療法が基本
比率 糖尿病患者の3〜5% 糖尿病患者の90%