糖尿病の食事療法で重要なPFCバランスとは

必要な栄養を過不足なく摂取する

高血糖を改善するには体重を標準体重にするだけではなく、1日に必要な栄養素をバランス良く摂取することも重要です。単に食事量を減らすだけでは、体に必要な栄養素を十分に摂取することができず、活動量も減り筋力も低下してしまいます。

逆に食べ過ぎの場合は余分なエネルギーが中性脂肪となり脂肪細胞や肝臓に蓄積されてしまいます。私たちのからだは不足した栄養素を補おうとして空腹感を起こします。脳に伝達された空腹感を満たすために食べると一時的に治まりますが、不足している栄養素を正しく摂取しなければ再び空腹感が起こります。

からだに必要な栄養素を過不足なく摂取することで食欲もコントロールされ、過食を抑えることができます。

PFCバランスを意識した食事

栄養バランスを考えるうえで最も重要なのがPFCバランスです。Pはプロテインの頭文字でたんぱく質、Fはファットの頭文字で脂質、Cはカーボハイドレートの頭文字で炭水化物(糖質+食物繊維)のことで、これらを三大栄養素と呼んでいます。糖尿病患者の場合は、糖質は食後の血糖値を上げやすいので過剰な摂取は禁物です。一方で、たんぱく質は不足しないように十分に摂取します。目安としては1日600キロカロリーの食事の場合だと、炭水化物50〜65%、たんぱく質13〜20%、資質20〜30%です。

次に意識したいのがビタミンとミネラルです。先程の三大栄養素にビタミンとミネラルを足して五大栄養素と呼びます。ビタミンとミネラルは三大栄養素の吸収を向上させる潤滑油的な役割として欠かすことができません。

食物繊維を意識してたっぷり摂取する

血糖コントロールや肥満解消に欠かせないのが食物繊維です。食物繊維は胃の中で膨張するので少量で満腹感を得やすいので食べ過ぎ防止の効果があります。また、野菜や豆類に多く含まれている水溶性食物繊維は、糖や脂肪の吸収を遅らせると同時にインスリンを節約して体脂肪の蓄積を防いでくれます。

1日の食物繊維の摂取目安は、男性で20グラム以上、女性は18グラム以上です。主食は精製度の低いものにし、野菜類やきのこ類、海藻、豆類などをバランス良く摂取するように心がけると無理せず1日18〜20グラムは摂取できます。