清潔を保つ
ワキガ臭の原因はアポクリン汗腺から分泌された汗が最近と結びついて発する腐敗臭ですが、かいた汗を皮膚上にいつまでも留まらせないようにすれば、ニオイはかなり軽減するはずです。
それには脇の汗をこまめに拭き取って清潔な状態を保つことが大切です。
それだけでは不安が残るというのであれば、同時に殺菌剤で消毒を行うと良いでしょう。
これを一日数回、定期的に繰り返せばワキガ臭はなくなり軽減できます。
殺菌剤としては昔からホウ酸が用いられていましたが最近では市販の消毒用軟膏も有効です。
軽度のワキガ臭なら、これでかなりの軽減が期待できますが、このケア方法にも限界があります。
この方法の最大の難点は、とにかく手間がかかること。
両脇をきれいに拭い、更に殺菌剤で消毒をする。これを一日に何回も繰り返さなければならないのは非常に面倒なことです。
そして、それが毎日ずっと続くと思うと、相当の手間であることは容易に想像出来るでしょう。
また、殺菌剤を長期間使用し続けると、皮膚に炎症を起こす可能性がある点も注意が必要です。
旅行先やちょっとしたパーティの間だけといった、短期間に行うのであれば、殺菌剤はとても有効な方法と言えますが、長期間の使用はあまりお勧めできません。
香水でニオイを抑えるのは逆効果
香水やオーデコロンなど他の香りをつけて消すマスキング方法はどうでしょうか?
フローラルの香りなどをつければワキガ臭も少しは和らぎ軽度な腋臭になら、ある程度の効果が期待できるでしょう。
しかし、強いワキガ臭を消すには、かなり香りの強いものを使用しなければなりません。
すると、どんなことが起きるでしょうか?
香水の香りとワキガ臭が混じって、強い悪臭になってしまうことがあるのです。
これでは香りの演出も逆効果です。
ニオイの程度によりますが、ワキガ臭は香水などの香りで隠し通せるものではありません。
むしろ、腋臭以上の悪臭を振りまくことになりかねません。
やはり、ワキガ臭はニオイのもとから絶つことが重要です。
デオドラント製品にも限界が
最近の「消臭指向」を反映して数多くの製品が出回っています。
若者層の間では今や日常的に使うのがエチケットとして当然とばかりに、その需要を大きく伸ばしています。
これらのデオドラント製品は大きく三種類に分類できます。
汗を抑える「制汗剤」、ニオイを消す「消臭剤」、そしてニオイを発生させ雑菌を消す「殺菌剤」です。
制汗剤
制汗剤は皮膚の毛細血管を収縮させることで、発汗を抑える効果を狙ったものです。
こうした汗止めには、古くはミョウバンがよく使われていました。
どちらもニオイのもとになる汗を抑えるわけですから、ある程度はニオイを減少させる効果はあります。
しかし、残念ながらその効果はよく持って半日から一日程度です。
毎日、定期的に使う必要があり、かなりの手間がかかるといえます。
消臭剤
消臭剤はトイレや室内の臭い消しと同じ原理で、嫌なニオイを中和するものと、他の香りで覆い隠すタイプがあります。
これには、ローション、クリーム、スプレー、パウダーなど、様々なタイプがあります。特に効果が期待できそうなのはローションやクリームの肌に直接塗りこむタイプのものです。
殺菌剤
殺菌剤は、過酸化亜鉛や硫酸オキシキノリン、ヘキサシミンなどの薬剤を配合したものが多く、ニオイの元凶となる皮膚の殺菌をやっつけるものです。
これらもそれなりの効果は期待できますが、日常的に使用するには、皮膚の影響が心配です。
エステ治療について
エステサロンでワキガ治療を謳ったものをよく目にしますが「エステでワキガ治療をしたのですが再発したみたい。。。」とい言って結局、クリニックへ再治療というケースがあるのも現実です。
エステのワキガ治療は永久脱毛の技術を応用した理学療法ですが本当に腋臭や多汗症が治せるかというと疑問が残ります。
電気分解法
毛穴に針を刺して電流を流すことで毛根を破壊する、脱毛法としては最もポピュラーな方法です。「毛根とともにアポクリン汗腺の分泌口も破壊できるので、腋臭にも効果があるという理屈ですが、これにはいくつか難点があります。
まず、ワキ毛を1本ずつ処理していくので非常に時間がかかるということです。
ワキ毛の量は個人差がありますが、片側で約800本。それを1本ずつ処理していくわけですから、最低でも数ヶ月かかるケースもあります。
しかも費用はかかった日数に比例するのでかなりの額になる可能性があります。
そして最大の欠点は「痛みが伴う」という点でしょう。
脇の下は敏感な場所です。
電気分解法は、この毛穴に針を刺すわけですから結構な痛みを伴います。
しかもエステは医療機関ではないので麻酔が使えません。
また、この方法はもともと脱毛が目的で、その効果には疑問が残ります。
毛根が処理できたとしてもアポクリン汗腺を完全に破壊することは難しく単に汗腺の出口を塞ぐだけに過ぎません。
出口を塞げば汗が出ることはできませんが、これも結局、一時的なものです。
時間が経てば汗腺はまた開口して再び汗は分泌するようになります。
電気分解法は脱毛法として広く普及していますが完全脱毛の成功率は約40%程度で決して高い数字ではありません。
ましてや腋臭・多汗症に対する効果となると「ほとんど期待できない」というのが現実でしょう。
電気凝固法
こちらも永久脱毛の方法として広く普及している手法です。
毛根から数ミリ離れた皮膚に針を刺して高周波電流を流して、毛根を固めて抜き取ってしまう方法です。
毛根とともに「アポクリン汗腺や皮脂腺までも破壊できる」というのがキャッチフレーズですが、この方法でも汗腺類は完全に破壊することはできません。
電気凝固法と同様に、汗腺類はわずか2〜3ヶ月で再び活動を始め、腋臭は再発することになるでしょう。
インフォレーゼ
インフォレーゼはワキガ対策として考案された方法でホルマリン溶液に浸したガーゼに電極を巻きつけ、それを脇に当てて電気を流しアポクリン汗腺の分泌口を破壊するというものです。
皮膚への影響などは比較的安全ですが難点は持続性です。平均して1〜2週間ほどしか効き目が続かず一時しのぎと言わざるをえない方法です。