膵臓の病気

膵臓病とは

膵臓は、背骨の後ろ、胃の後ろにある、長さ約15cm、幅約5cm、厚さ約3cmの臓器です。消化酵素やホルモンを分泌する重要な役割を果たしています。

膵臓病には、次のようなものがあります。

  • 急性膵炎:膵臓が突然炎症を起こす病気です。主な症状は、みぞおちや背中の激しい痛み、吐き気、嘔吐、発熱などです。重症化すると、命に関わることもあります。
  • 慢性膵炎:急性膵炎を繰り返し発症することによって、膵臓が徐々に機能を失っていく病気です。主な症状は、腹痛、下痢、脂肪便、体重減少などです。
  • 膵臓癌:膵臓にできる悪性腫瘍です。初期症状はほとんどありませんが、進行すると、みぞおちの痛み、背中の痛み、体重減少、黄疸(おうだん)などがあらわれます。
  • 糖尿病:膵臓からインスリンが十分に分泌されず、血糖値が高くなる病気です。主な症状は、多飲多尿、体重減少、倦怠感などです。
  • 膵のう胞:膵臓にできる良性または悪性の腫瘍です。無症状の場合が多いですが、大きくなると、腹痛や黄疸などの症状があらわれます。

膵臓病の原因

膵臓病の原因は、病気によって異なりますが、主な原因としては、次のようなものがあります。

  • アルコール:過剰な飲酒は、急性膵炎や慢性膵炎の原因になります。
  • 胆石:胆石が膵管に詰まると、急性膵炎を引き起こすことがあります。
  • 高脂血症:脂質が高い血液は、膵臓に負担をかけ、慢性膵炎の原因になります。
  • 喫煙:喫煙は、膵臓癌のリスクを高めます。
  • 糖尿病:糖尿病は、慢性膵炎の原因になります。
  • 遺伝:一部の膵臓病は、遺伝することがあります。

膵臓病の予防

膵臓病を予防するには、次のようなことに注意することが大切です。

  • バランスのとれた食生活を心がける:脂肪分の少ない食事を心がけ、野菜や果物をたくさん食べるようにしましょう。
  • 適度な運動をする:運動不足は、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めます。
  • 禁煙する:喫煙は、膵臓癌をはじめ、さまざまな病気のリスクを高めます。
  • 節度ある飲酒をする:過剰な飲酒は、急性膵炎や慢性膵炎の原因になります。
  • 定期的に健康診断を受ける:膵臓病は、早期発見・早期治療が重要です。定期的に健康診断を受け、早期に発見・治療を受けましょう。

膵臓病の治療

膵臓病の治療は、病気の種類や進行度によって異なりますが、主な治療法としては、次のようなものがあります。

  • 薬物療法:痛み止めや炎症を抑える薬、消化酵素補充薬、インスリンなどの薬が使用されます。
  • 手術療法:胆石を取り除く手術や、膵臓の一部を切除する手術などが行われることがあります。
  • 食事療法:脂肪分の少ない食事を制限し、消化しやすい食事を摂るように指導されます。
  • 生活習慣の改善:禁煙、節度ある飲酒、適度な運動などの生活習慣改善指導が行われます。

膵臓病に効く食べ物

食品群 推奨食品 注意事項
主食 白米、うどん、そば、パン、粥 糖尿病の方は、糖質の量に注意する
タンパク質 鶏肉(皮なし)、白身魚、豆腐、納豆、卵 脂質の多い肉類、加工食品は控える
脂質 オリーブオイル、アボカド、ナッツ類 飽和脂肪酸、コレステロールの多い脂質は控える
野菜 葉野菜(ほうれん草、小松菜、チンゲン菜など)、根菜類(じゃがいも、さつまいも、かぼちゃなど)、きのこ類、海藻類 食物繊維の多い野菜は、細かく刻んで調理する
果物 りんご、バナナ、オレンジ、グレープフルーツ 糖分の多い果物は控える
その他 ヨーグルト、チーズ、ゼリー 脂肪分の多い乳製品、砂糖が多いゼリーは控える

この表はあくまでも参考です。個々の症状や体質に合わせて、適切な食事内容を選択してください。

まとめ

膵臓は、消化や血糖コントロールなど、重要な役割を果たす臓器です。膵臓病は、早期発見・早期治療が重要です。生活習慣に気を付け、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。