子育ての観点からアスペルガー症候群やADHDを紹介

4.ADHDの治療方針


ADHDの子どもには、すぐに行動しないことや「キレない」ために待つこと、SST(社会生活訓練)という気持ちを落ち着かせるためにリラクゼーションを覚えることなどを通じて、自己有能感の形成が必要になります。

まず褒められうこと

褒められたいという気持ちは強いのですが、不器用で衝動的な行動のために、結局褒められるどころか、むしろ怒られてしまうことが多く、その結果やる気が失せてしまいます。まず、やろうとした気持ちを褒め、失敗した結果を責めずに褒めることから始めましょう。

運動訓練

衝動的で不器用なため、失敗することも多いので、トランポリン、ブランコ、ボールプールなどを用い、身体感覚を整える感覚統合訓練が有効です。体で覚え、パターン化をすることで失敗を防ぐことができます。ただし、就学前までに行っておきましょう。

待つ訓練

すぐにキレたりする子どもでは、家庭環境、家族関係に問題のあることが多いようです。すなわち親がキレやすいことも関連してます。集団の中では我慢し続けたことが積み重なり、限界になったとき、衝動的に暴力的な行動をします。

このような場合、「ちょっと待って!」というように間をあける訓練をします。待つことができれば「ご褒美(褒める)」を与えることも有用です。

保護者カウンセリング

ADHDの子どもの状態は、母親にとってはもっとも受け入れがたいものかもしれません。親が「してほしくない」と思う行動ばかりをしてしまうし、理屈ばかりをいってくるからです。

しかし、まず子どもの状態を客観的・認知的な側面から理解することから始め、どのように考え、どう対応するかをその子どもの発達段階や考え方の特徴から、医師などと一緒に考えながら教えるようにします。

夫婦関係、家族関係の問題点をともに考える、その後の再構築も課題となります。地域の保健士、医療相談員、児童相談所の力も借りなければいけないこともあるでしょう。

薬物療法

中枢神経刺激剤であるメチルフェニデート(コンサータ)は18歳まで投与が認められています。ADHDの人の75%に有効ですが、思春期以降は約50%と減少します。副作用として、食欲不振、成長障害、不眠、チック、心電図異常、けいれん誘発などがあります。依存性を心配されることがありますが、小児のADHDでは依存性はないと証明されています。

週1回以上の休薬日をもうけ、午後は服用しないこと。成長曲線・採血・心電図、脳波検査などを定期的に行う必要もあります。

徐放剤であるコンサータは有効時間は12時間で1日投与量は学童で最大54mgです。メチルフェニデート(リタリン)はわが国においては使用できなくなりました。成人や合併症を有する場合に有用と考えられるノルアドレナリンを増やす薬物が現在は治験中です。

次は『ADHDとはどんな状態なのか?』

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