症状
全身のすみずみまで分布している末梢神経の損傷によって起こる、多発性ニューロパチー(多発性神経炎)のひとつです。
かぜや下痢の症状で始まり、数日から2週間以内に、急に手足のしびれや筋力の低下が起こります。症状は2〜4週間でピークに達し、その後は快方に向かうのがふつうです。
まれに重症化するケースもあり、ろれつが回らなくなったり、ものが飲み込めなくなったり、呼吸困難におちいることもあります。
原因
ウイルス感染がきっかけで免疫機能が異常な反応を示し、さまざまな神経炎を引き起こすものです。
この自己免疫異常によって神経線維の絶縁体の役目をしているミエリンが傷つけられ、神経伝達に支障をきたして発症すると考えられています。
治療法
急性期には、副腎皮質ステロイド薬の大量服用が有効です。
重症の場合は、自己免疫異常の原因となっている交代を減らす目的で、血漿交換(体外循環回路に患者の血液を通し、抗体を含む血漿を捨てて、代用血漿を体内に戻す方法)が行われることもあります。
治療によって8割は完全に回復しますが、2割には障害が残ります。その場合は、機能訓練のリハビリテーションが必要になります。