症状
耳が激しく痛み、発熱をともなうことが多く、耳が詰まって音が聞き取りにくいこともあります。気付かないうちに化膿が進んでうみが鼓膜を破り、耳だれとして出ることもあります。
中耳の乳突蜂巣に炎症が起きると、耳のうしろが腫れて痛み、耳介が立ち上がり気味になります。内耳炎を引き起こすと、難聴とめまいも起こります。
原因
感染症にかかり、細菌がのどや鼻から耳管を通じて中耳に侵入して起こります。原因菌としては、インフルエンザ菌、肺炎球菌、カタル球菌、ブドウ球菌などがあります。
大人もかかる病気ですが、耳管が太く短くて水平な位置にある小児は、細菌が侵入しやすいため、大人よりも圧倒的に多くみられます。
乳児は、寝かせたままミルクを飲ませると、ミルクの一部が耳管を通じて中耳に流れ込んで、中耳炎になることがあります。飲ませるときは状態を起こし、飲ませたあとは必ずげっぷをさせます。寝かせるときに状態を少し高くしておくと、中耳に流れこむのを防ぐことができます。
治療法
安静にして、抗菌薬と鎮痛薬を内服します。点耳薬を使用することもあります。
夜に痛みが激しくなることが多いので、あわてず鎮痛薬を服用し、朝まで待ってから受診するとよいでしょう。
痛みが激しいときや、うみが大量にたまっているときは、鼓膜を切開します。
入浴や洗髪は、炎症が治まり、医師の許可を得てからにしましょう。
炎症そのものは1〜2週間で治まりますが、完治するまでは通院が必要です。治りきっていないと、滲出性中耳炎に移行し、放置すると聴力にも悪影響が出ます。