症状
ウイルス感染後10〜21日の潜伏期のあと、赤い小さな発疹が出始め、丘疹(少し盛り上がった発疹)を経て半日〜1日で水疱になり、その後2〜3日で黒いかさぶたになります。
発疹は全身に出ますが、手足には少なく、体幹(胴)と顔面に多く出現します。次々に新しい発疹が出る急性期には紅斑、丘疹、水疱、かさぶたが混在します。頭髪部や、口中の粘膜、結膜、陰部にも出ます。
約1週間ですべての発疹がかさぶたになり、おおくは痕を残さずに治りますが、かきむしって最近の二次感染を起こした場合などに痕が残ることもあります。
合併症としては、皮膚の細菌感染のほか、はれに髄膜炎、脳炎、小脳失調症、肺炎、血小板減少症などを起こすことがあります。
免疫不全状態にある人が水痘にかかると、とくに重い経過をたどる危険性があります。また、妊娠初期の女性が感染すると胎児に数々の異常を生じる場合があります。
原因
水痘・帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルスの一種)の感染によって起こります。1年を通してみられますが、冬から春にかけて患者数が多く、夏から初秋に減少します。乳幼児に多くみられます。
感染経路は飛沫感染、空気感染が主体で、接触感染もあります。
周囲への感染力が強いのは、発疹の出現1〜2日から7〜10日後まで(水疱がかさぶたになるまで)です。一度かかると免疫ができます。
治療法
対処療法が中心ですが、抗ヘルペスウイルス薬のアシクロビル(内服薬)が使われることもあります。対処療法として、かき壊さないうちに石炭酸亜鉛華軟膏を塗ると、かゆみがある程度抑えられます。水疱のできたところに細菌が感染した場合は、抗菌薬の軟膏や内服薬で治療します。
予防接種(生ワクチン)があります。水痘の患者と接触した場合は、72時間以内に予防接種を受けると、発症を予防したり軽度ですませる効果があります。