症状
中耳腔に、滲出液がたまります。耳がふさがったような感覚があり、音声の聞こえが悪く、ときには耳の奥でガサガサするような音がすることもあります。痛みや発熱はありません。
原因
急性中耳炎が治りきらずに、移行することが多いようです。また、耳管の機能障害や、細菌の感染によるケースもあります。子どもの場合は、アデノイド(咽頭扁桃)の肥大が原因になることもあります。
治療法
基本的には、耳管通気療法を行います。成人の場合は、カテーテルを鼻から入れて、中耳腔に空気を送り込み、中耳腔の圧を戻し、たまった滲出液を排出しやすくします。
すぐに滲出液がたまってしまう場合は、液を排除するために、鼓膜を切開して、特殊なチューブを挿入する手術を行うこともあります。再発しやすいので、鼻やのどの炎症もきちんと直しておくことが大切です。
子どもでアデノイドの肥大が原因の場合は、治療の一環としてアデノイドを切除することもあります。
子どもの滲出性中耳炎の治療は長くかかります。成長に従い、小学校高学年までには治ることが多いものですが、小児期の滲出性中耳炎は、ことばを覚える重要な時期に耳の聞こえが悪いという問題があります。また、側頭骨の発育が抑えられてしまうので、成人してから別の中耳炎を発症する可能性が高くなります。放置せずに、根気よく治療することが大切です。