症状
赤血球または赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)が減少した状態を貧血といいます。
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足すると起きるもので、貧血のなかで最も頻度が高く、若い女性にも多くみられます。貧血が進むにつれて全身倦怠感、息切れ、動悸などの症状が現れてきます。
鉄欠乏性貧血が長引くと、匙状爪(爪がスプーンのように反り返る状態)になることもあります。まれに嚥下困難(飲食物が飲み込みにくくなる状態)や、のどに異物感を覚えることもあります。
原因
ヘモグロビンの主成分である鉄が不足すると、貧血状態になります。鉄が不足する原因には、胃潰瘍などの消化管疾患、子宮筋腫などの婦人科疾患による出血、月経・妊娠・分娩による出血、食事での鉄の摂取不足、胃切除術後による鉄の吸収不足などがあります。
治療法
疾患による出血の場合は、原因疾患の治療を行います。貧血の症状は、鉄剤を服用すると改善がみられます。
体内に十分な鉄分を補充(貯蔵)するためには、鉄剤の服用を2〜3ヶ月間続ける必要があります。また、食生活で、鉄分を多く含む食品の摂取も心がけます。