症状
1〜3日の潜伏期ののち、通常は人(人型)のインフルエンザと同様の突然の高熱、咳などの呼吸器の症状、全身倦怠感、筋肉痛などの全身症状が現れます。
ほとんど症状が認められない場合や、通常のインフルエンザと同様の病状で治まる場合もありますが、なかには重症の肺炎や、急速な呼吸不全におちいったり、さまざまな臓器の障害を起こして死に至ることがあります。
原因
鳥に感染するA型インフルエンザウイルス(鳥型インフルエンザウイルス)によって起こるものです。このうち、鶏やアヒルなどの家禽類に対して高い致死率をもつものは、高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼ばれます。
本来、鳥に感染する鳥型インフルエンザウイルスと、人に感染する人型インフルエンザウイルスは遺伝子的に異なっているので、鳥型インフルエンザウイルスは直接人には感染しないことが考えられていました。
ところが、1997年に香港で鳥型インフルエンザウイルスが人に感染したことがわかり、その後、オランダやベトナム、タイ、カンボジアなどの国々で患者の発生が確認されています。
感染経路は、感染した家禽や野鳥などからの飛沫感染、あるいはその血液、体液、排泄物との接触によって人に感染します。鶏肉や鶏卵からの感染は報告されていません。
治療法
現段階では抗インフルエンザウイルス薬のノイラミニダーゼ阻害薬での治療や、熱、咳などに対する対処療法が行われます。