「腕が上がらない」「夜間に肩がズキズキ痛む」——そんな症状に心当たりがある方は、四十肩かもしれません。
四十肩（別名：肩関節周囲炎）は、40代以降に多く見られる肩の疾患です。放置すると生活に大きな支障をきたすこともあります。この記事では、四十肩の初期症状から原因、治療法、予防策までを詳しく解説します。
四十肩とは？その定義と医学的な背景
四十肩とは、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる疾患で、肩関節の周囲に炎症が起こり、痛みや可動域の制限を引き起こす病気です。五十肩とも呼ばれますが、年齢による呼び方の違いだけで、医学的には同じ症状を指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 肩関節周囲炎 |
| 一般的な呼び方 | 四十肩、五十肩 |
| 好発年齢 | 40代〜60代 |
| 原因 | 加齢による関節組織の変性、炎症 |
| 特徴 | 片側に痛みが出ることが多い |
四十肩の初期症状とは？見逃してはいけないサイン
初期症状を見逃すと、肩の動きが大きく制限され、日常生活に支障が出ることがあります。次のような症状に注意が必要です。
- 肩の違和感や鈍痛：特に動かしたときに痛む
- 夜間痛：夜中にズキズキと痛み、眠れなくなる
- 可動域の制限：腕が後ろに回らない、上がらない
- シャツの着脱がつらい：服を着る・脱ぐ動作で痛む
この段階での早期対処が、重症化を防ぐカギとなります。
四十肩の原因とは？年齢だけじゃない発症リスク
四十肩の原因は一つではありません。以下のような要因が関係しています。
- 加齢：関節や腱の柔軟性が失われる
- 血流不良：肩周辺の血流が悪くなり、炎症が起きやすくなる
- 運動不足：肩関節の可動域が狭まり、炎症を起こしやすくなる
- 姿勢の悪さ：長時間のデスクワークや猫背が影響
特にデスクワーカーやスマートフォンの長時間使用者は注意が必要です。
四十肩の診断と病院での検査方法
四十肩は整形外科で診断されます。主な検査方法は以下の通りです。
| 検査方法 | 内容 |
|---|---|
| 問診・触診 | 症状の経過や痛みの場所を確認 |
| X線検査 | 骨の異常（関節の変形など）をチェック |
| MRI検査 | 腱や靭帯の損傷の有無を確認 |
| 超音波検査 | リアルタイムで肩の動きを確認 |
四十肩の治療法｜保存療法からリハビリまで
四十肩の治療は段階に応じて行われます。基本的には保存療法が中心です。
- 安静：痛みが強い時期は無理な運動を控える
- 薬物療法：痛み止め（NSAIDs）や湿布薬の使用
- リハビリテーション：可動域回復のためのストレッチや体操
- 温熱療法：血行を促進して回復を助ける
- 注射療法：ステロイド注射で炎症を抑える場合もある
症状が重い場合には、関節鏡手術を行うケースもありますが、あくまで最終手段です。
自宅でできる！四十肩のセルフケアと予防法
軽度の四十肩や予防には、日々のセルフケアが効果的です。
- 肩回し運動：前後にゆっくり肩を回す
- タオルストレッチ：タオルを使って肩甲骨を動かす
- 温める：お風呂や温熱シートで肩周辺を温める
- 姿勢改善：猫背を直し、肩甲骨を意識する
無理のない範囲で続けることが、最大の予防策になります。
Q&A｜四十肩に関するよくある質問
- Q1. 四十肩は自然に治るって本当？
- A1. 自然治癒するケースもありますが、1～2年かかることも。早めの対処が大切です。
- Q2. 四十肩と腱板断裂はどう違う？
- A2. 腱板断裂は筋肉や腱が切れるケガで、四十肩よりも激しい痛みと可動制限があります。診断にはMRIが有効です。
- Q3. 仕事を続けてもいいの？
- A3. 痛みの程度によりますが、無理な動作は控え、休息を取りながら続けるのが望ましいです。
まとめ｜四十肩は早期対処と予防がカギ
四十肩は誰にでも起こりうる疾患ですが、初期のうちに正しく対処することで回復を早め、日常生活への影響を最小限に抑えられます。
ポイントをおさらいすると：
- 四十肩は40代以降に多く見られる肩の炎症性疾患
- 初期の違和感や痛みに注意し、早めの診察を
- 治療は安静・薬物・リハビリなど段階的に行う
- 日常の姿勢や軽い運動で予防が可能
つらい肩の痛みと上手に付き合いながら、快適な毎日を送りましょう。
