心房細動

心房細動について

概要

心房細動は、心臓の4つの部屋のうち、上の2つの部屋である心房が、規則正しく収縮できずに震えてしまう状態を指します。心房細動は、不整脈の一種であり、心臓の電気信号が乱れることによって起こります。

原因

心房細動の原因は、まだ完全に解明されていませんが、以下の要因が考えられています。

  • 高血圧: 高血圧は、心臓に負担をかけ、心房細動を引き起こすリスクを高めます。
  • 冠動脈疾患: 狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患も、心房細動のリスク因子となります。
  • 弁膜症: 心臓の弁に異常がある場合も、心房細動が起こりやすくなります。
  • 心不全: 心臓が十分に血液を送り出せない状態になると、心房細動のリスクが高まります。
  • 甲状腺機能亢進症: 甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、心拍数が増加し、心房細動を引き起こすことがあります。
  • 肺疾患: COPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺塞栓症などの肺疾患も、心房細動のリスクを高めることがあります。
  • 先天的な心臓病: 生まれつき心臓に異常がある場合も、心房細動が起こることがあります。
  • 飲酒: 過度の飲酒は、心房細動のリスクを高める可能性があります。
  • 肥満: 肥満は、高血圧や糖尿病などのリスク因子となり、間接的に心房細動を引き起こす可能性があります。

症状

心房細動の症状は、人によって異なり、自覚症状がない人もいます。一般的な症状としては、以下のものが挙げられます。

  • 動悸: 心臓がドキドキするような感覚
  • 息切れ: 少し動くと息切れがする
  • めまい: ふらつきや回転感が起こる
  • 疲労感: 体がだるい、疲れやすい
  • 胸痛: 胸が痛い、圧迫感がある

治療法

心房細動の治療法は、患者さんの年齢、症状、合併症など、様々な要因を考慮して決定されます。主な治療法は以下の通りです。

  • 薬物療法: 心拍数を整えたり、血栓を予防したりするための薬剤を服用します。
  • カテーテルアブレーション: 心臓にカテーテルを挿入し、異常な電気信号を発する部位を焼灼して、心房細動を止める治療法です。
  • 電気ショック: 心臓に電気ショックを与えることで、心房細動を停止させる治療法です。
  • 外科手術: 心臓の手術が必要な場合もあります。

予防

心房細動の予防には、以下のことが大切です。

  • 生活習慣の改善: 高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などの生活習慣病を予防・改善することが重要です。
  • 禁煙: 喫煙は、心血管疾患のリスクを高めるため、禁煙することが望ましいです。
  • 適度な運動: 定期的な運動は、心肺機能を向上させ、心房細動のリスクを下げる効果が期待できます。
  • 体重管理: 肥満は、様々な病気のリスクを高めるため、適正体重を維持することが大切です。
  • 定期的な健康診断: 定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療につながります。

心房細動は、放置しておくと脳梗塞などの合併症を引き起こす可能性があります。

もし、心房細動の症状を感じたら、早めに医師に相談しましょう。

まとめ

心房細動は、心臓の病気であり、様々な原因が考えられます。症状は人によって異なり、自覚症状がない場合もあります。治療法としては、薬物療法、カテーテルアブレーション、電気ショック、外科手術などがあります。心房細動の予防には、生活習慣の改善が重要です。