腟がん

腟がんとは

腟がんは、女性生殖器の病気の一つで、腟の粘膜にできる悪性腫瘍です。子宮頸がんに比べると比較的まれな病気ですが、早期発見が難しく、進行すると他の臓器に転移する可能性もあります。

腟がんの原因

腟がんの原因は、まだ完全に解明されていません。しかし、以下の要因がリスクを高めると考えられています。

  • ヒトパピローマウイルス(HPV)感染: 子宮頸がんと同様に、HPV感染が主な原因の一つと考えられています。特に高リスク型のHPV感染が、腟がんの発症リスクを高めることがわかっています。
  • 高年齢: 60歳以上の女性に多くみられます。
  • 喫煙: 喫煙は、様々な種類の癌のリスクを高めることが知られており、腟がんもその一つです。
  • 化学物質への暴露: 一部の化学物質が、腟がんの発症に関与している可能性が指摘されています。
  • 免疫力の低下: 免疫力が低下している人は、がんになりやすい傾向があります。

腟がんの症状

腟がんの初期症状は、自覚症状がないことが多く、進行してから発見されるケースも少なくありません。しかし、以下の症状が現れることがあります。

  • 不正出血: 性交後や月経期以外の出血、閉経後の出血などがみられます。
  • おりものの異常: おりものの量や色、においが変化することがあります。
  • 性交痛: 性交時に痛みを感じる場合があります。
  • 下腹部痛: 下腹部にしこりを感じたり、痛みを感じたりすることがあります。
  • 排尿痛: 尿が出にくい、排尿時に痛みを感じるなどの症状が現れることがあります。

これらの症状は、他の婦人科疾患でもみられるため、必ずしも腟がんとは限りません。気になる症状がある場合は、早めに婦人科を受診することが大切です。

腟がんの診断

腟がんの診断には、以下の検査が行われます。

  • 婦人科検診: 腟や子宮の異常を調べるための視診や触診を行います。
  • 細胞診: 腟から細胞を採取し、顕微鏡でがん細胞がないか調べます。
  • 生検: 疑わしい部分から組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べます。
  • 画像検査: CT検査やMRI検査などを行い、がんの広がりを調べます。

腟がんの治療

腟がんの治療法は、がんの進行度や種類、患者さんの年齢や全身状態などによって異なります。一般的な治療法としては、以下のものが挙げられます。

  • 手術: 腫瘍を切除する手術が基本的な治療法です。
  • 放射線治療: ガン細胞を放射線で殺す治療法です。
  • 化学療法: 抗がん剤を用いてがん細胞を殺す治療法です。
  • ホルモン療法: 女性ホルモンの働きを抑制することで、がん細胞の増殖を抑える治療法です。

腟がんの予防

腟がんを完全に予防することは難しいですが、以下のことに注意することで、リスクを減らすことができます。

  • HPVワクチン: HPVワクチンを接種することで、HPV感染のリスクを減らすことができます。
  • 禁煙: 喫煙は、様々な種類の癌のリスクを高めるため、禁煙することが大切です。
  • 定期的な婦人科検診: 早期発見・早期治療のため、定期的に婦人科検診を受けることが重要です。

まとめ

腟がんは、早期発見が難しいがんですが、定期的な婦人科検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。気になる症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。

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