乳腺線維腺腫とは?
乳腺線維腺腫は、女性ホルモンの影響を受けて乳腺にできる良性の腫瘍です。特に思春期から30代にかけての若い女性に多く見られます。乳房にできるしこりの中でもっとも一般的なものです。
原因
乳腺線維腺腫の詳しい原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、女性ホルモン、特にエストロゲンが大きく関わっていると考えられています。エストロゲンは、乳腺の発育を促すホルモンであり、このホルモンのバランスが崩れることで、乳腺細胞が過剰に増殖し、線維腺腫ができる可能性があります。
症状
- しこり: 乳房に硬く、丸いしこりが触れます。
- 無痛: 多くの場合は痛みを伴いませんが、まれに痛みを感じることもあります。
- 可動性: しこりは周囲の組織とよく動き、固定されていません。
診断
- 触診: 医師が乳房を触診し、しこりの大きさ、硬さ、移動性を調べます。
- 超音波検査: しこりの大きさ、形状、内部構造などを詳しく調べることができます。
- マンモグラフィ: 40歳以上の女性では、マンモグラフィで確認することもあります。
治療
乳腺線維腺腫は、ほとんどの場合、放置しても悪性腫瘍に変化することはありません。そのため、以下のいずれかの治療法が選択されます。
- 経過観察: しこりが小さく、痛みもなく、日常生活に支障がない場合は、定期的に検診を行いながら経過を観察することもあります。
- 薬物療法: 女性ホルモンの分泌を抑える薬を用いることで、しこりを小さくすることができます。
- 手術: しこりが大きく、痛みがある場合や、精神的なストレスが大きい場合は、手術によってしこりを摘出することがあります。
予防
乳腺線維腺腫を完全に予防することは難しいですが、以下のことに注意することで、リスクを減らすことができます。
- バランスの取れた食事: ホルモンバランスを整えるために、バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 適度な運動: 運動は、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
- ストレス管理: ストレスはホルモンバランスを乱す可能性があるため、ストレスを溜めないようにしましょう。
- 定期的な乳房検診: 早期発見のため、定期的に乳房検診を受けましょう。
乳腺線維腺腫と乳がんの違い
乳腺線維腺腫は良性の腫瘍であり、乳がんとは全く異なる病気です。しかし、乳房にしこりができると、乳がんを心配する人が多いです。乳腺線維腺腫と乳がんを見分けるためには、医師の診察を受けることが大切です。
まとめ
乳腺線維腺腫は、女性に多く見られる良性の腫瘍です。多くの場合は、放置しても問題ありませんが、気になる場合は、早めに医師に相談しましょう。定期的な乳房検診を受けることで、早期発見・早期治療につながります。
ご自身の身体に少しでも異変を感じたら、必ず医師にご相談ください。
【注意事項】
- この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。
- 自己診断や自己治療は行わないでください。