子宮内膜増殖症

子宮内膜増殖症とは?

子宮内膜増殖症とは、子宮の内側を覆っている子宮内膜が、通常よりも分厚く増殖してしまう病気です。月経周期に合わせて増殖と脱落を繰り返すはずの子宮内膜が、異常な増殖を続けることで、さまざまな症状を引き起こします。

子宮内膜増殖症の原因

子宮内膜増殖症の主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。特に、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの働きが強くなることで、子宮内膜が過剰に増殖しやすくなります。

エストロゲンが過剰になる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 無排卵: 排卵が起こらず、エストロゲンが過剰に分泌される
  • 肥満: 肥満はエストロゲンの分泌を促す
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS): 女性ホルモンのバランスが乱れ、排卵が障害される
  • 甲状腺機能低下症: 代謝が低下し、ホルモンバランスが乱れる
  • 糖尿病: インスリン抵抗性により、ホルモンバランスに影響を与える

子宮内膜増殖症の症状

子宮内膜増殖症の主な症状は、不正出血です。月経周期と関係なく、不正出血が起こったり、月経量が過多になったりすることがあります。

  • 不正出血: 月経期以外の出血、月経量の増加、月経期間の延長など
  • 月経痛: 月経痛が強くなる場合もある
  • 下腹部痛: 下腹部が重い感じや痛みを感じる場合もある

しかし、初期の段階では自覚症状がない場合も多く、定期的な婦人科検診が大切です。

子宮内膜増殖症の治療法

子宮内膜増殖症の治療法は、患者の年齢、症状、将来の妊娠希望の有無などによって異なります。

  • 薬物療法:
    • プロゲスチン製剤: プロゲステロンというホルモン剤を投与し、子宮内膜を薄くします。
    • 黄体ホルモン剤: プロゲステロンと同様の効果があります。
    • 高用量ピル: エストロゲンとプロゲステロンのバランスを調整し、子宮内膜を増殖させないようにします。
  • 手術療法:
    • 子宮内膜掻爬術: 子宮内膜を掻き出して、病気を診断するとともに治療効果を期待できます。
    • 子宮内膜切除術: 子宮内膜を電気メスやレーザーで切除します。
    • 子宮全摘術: 子宮内膜増殖症が進行している場合や、子宮体がんのリスクが高い場合には、子宮を全摘する手術を行います。

子宮内膜増殖症の予防

子宮内膜増殖症の予防には、以下のことが大切です。

  • 定期的な婦人科検診: 早期発見・早期治療につながります。
  • バランスの取れた食事: 肥満はリスク因子となるため、バランスの取れた食事を心がけましょう。
  • 適度な運動: 肥満予防だけでなく、心身のリラックスにもつながります。
  • ホルモンバランスの維持: ストレスを溜めないように心がけ、ホルモンバランスを整えましょう。

子宮内膜増殖症と子宮体がんの関係

子宮内膜増殖症は、放置しておくと子宮体がんに発展する可能性があります。特に、子宮内膜異型増殖症というタイプのものは、子宮体がんの前がん状態と考えられています。そのため、早期発見・早期治療が重要です。

まとめ

子宮内膜増殖症は、女性ホルモンのバランスの乱れが原因で起こる病気です。不正出血などの症状が出ることがありますが、初期には自覚症状がない場合もあります。定期的な婦人科検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能となります。

もし、不正出血などの症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

ご自身の身体の変化に気づいたら、一人で悩まずに医師に相談することが大切です。

この情報は一般的な情報であり、個人の症状や状態によって治療法は異なります。必ず医師に相談してください。