概要
子宮復古不全とは、出産後に子宮が正常に収縮せず、元の大きさに戻らない状態を指します。妊娠中に大きく膨らんでいた子宮は、出産後、数週間かけて元の大きさに戻っていきますが、この過程がうまくいかないと子宮復古不全が起こります。
原因
子宮復古不全の原因は様々ですが、大きく分けて以下の2つに分けられます。
- 器質性: 子宮内に胎盤の残留物がある、子宮筋腫がある、子宮内感染など、子宮自体に問題がある場合。
- 機能性: 子宮の収縮力が弱い場合。多胎妊娠、羊水過多、巨大児など、子宮が過度に伸びてしまった場合や、子宮収縮抑制剤の使用、授乳不足などが考えられます。
症状
- 悪露の異常: 出血量が多い、悪露が長期間続く、悪露に悪臭があるなど。
- 下腹部痛: 持続的な痛みや、子宮が硬くなることがあります。
- 発熱: 子宮内感染を伴う場合に起こることがあります。
診断
- 問診: 症状、出産時の状況などを詳しく聞きます。
- 子宮の触診: 子宮の大きさや硬さ、痛みなどを調べます。
- 超音波検査: 子宮内に胎盤の残留物がないか、子宮筋腫などがないかを確認します。
治療
子宮復古不全の治療法は、原因によって異なります。
- 子宮収縮剤の投与: 子宮の収縮を促す薬剤を投与します。
- 子宮内感染の治療: 抗生物質などを用いて治療します。
- 子宮内残留物の除去: 手術や薬物で子宮内残留物を除去します。
- 子宮筋腫の治療: 子宮筋腫が原因の場合は、子宮筋腫の治療を行います。
- 授乳の促進: 授乳は子宮収縮を促すため、積極的に行うことが推奨されます。
予防
- 出産後のケア: 出産後のケアをしっかり行うことが大切です。
- 早期の受診: 産後、異常な出血や痛みを感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
- 産後の栄養管理: 栄養バランスの取れた食事を心がけ、体力回復に努めましょう。
Q&A
Q. 子宮復古不全になると、将来妊娠できなくなることはありますか?
A. 必ずしもそうとは限りません。子宮復古不全の原因や治療法によって異なります。医師に相談し、今後の妊娠について詳しく聞きましょう。
Q. 子宮復古不全はどのくらい続くものですか?
A. 治療法や原因によって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月で回復します。しかし、重症の場合や、適切な治療が行われない場合は、長期化する可能性もあります。
Q. 子宮復古不全を予防するために、産後に気を付けることはありますか?
A. 産後は、体を休め、バランスの取れた食事を心がけましょう。また、定期的に産婦人科を受診し、子宮の回復状況を確認してもらうことが大切です。
Q. 子宮復古不全は放置しておくと、どのようなことが起こりますか?
A. 放置しておくと、貧血、感染症、子宮内膜炎などの合併症を引き起こす可能性があります。また、不妊の原因になることもあります。
Q. 子宮復古不全は再発しますか?
A. 原因によっては再発する可能性があります。医師の指示に従って治療を行い、定期的な検診を受けることが大切です。
まとめ
子宮復古不全は、出産後の女性が経験する可能性のある病気です。早期に診断し、適切な治療を受けることで、多くの場合、完治します。産後、異常な出血や痛みを感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。