A群溶血性連鎖球菌咽頭炎

概要

A群溶血性連鎖球菌咽頭炎(ようれんきんえんとうえん)は、A群レンサ球菌という細菌がのどを感染させることで起こる病気です。特に子どもに多く見られ、高熱、激しい咽頭痛、リンパ節の腫れなどが特徴です。放置すると、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の診断と治療が大切です。

原因

A群溶血性連鎖球菌咽頭炎の原因は、A群レンサ球菌という細菌です。感染経路としては、主に以下のものが挙げられます。

  • 飛沫感染: 感染者の咳やくしゃみによって、菌が空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。
  • 接触感染: 感染者の鼻や口の分泌物に触れた手で、自分の口や鼻を触ることで感染します。

症状

主な症状は以下の通りです。

  • 高熱: 38℃以上の高熱が突然に現れます。
  • 激しい咽頭痛: のどが赤く腫れ上がり、激しい痛みを感じます。
  • リンパ節の腫れ: 顎の下や首のリンパ節が腫れて痛みを伴うことがあります。
  • 全身倦怠感: だるさや倦怠感を感じます。
  • 食欲不振: 食欲が減退します。
  • 頭痛: 頭が痛むことがあります。
  • 発疹: 猩紅熱と呼ばれる合併症を起こした場合には、全身に赤い発疹が出ることがあります。

治療法

A群溶血性連鎖球菌咽頭炎の治療には、抗生物質が使用されます。ペニシリン系抗生物質が第一選択薬として用いられますが、アレルギーがある場合は、他の種類の抗生物質が処方されます。治療期間は、通常10日間程度です。

予防

A群溶血性連鎖球菌咽頭炎の予防には、以下のことが大切です。

  • 手洗いの徹底: こまめな手洗いは、感染予防の基本です。
  • 咳エチケット: 咳やくしゃみをする際は、口や鼻をティッシュで覆い、周囲への飛沫感染を防ぎましょう。
  • 人混みを避ける: 感染者がいる可能性のある場所を避けるようにしましょう。

Q&A

Q. A群溶血性連鎖球菌咽頭炎と普通の風邪との違いは何ですか?

A. A群溶血性連鎖球菌咽頭炎は、高熱や激しい咽頭痛が特徴で、普通の風邪よりも症状が重く、合併症を引き起こす可能性がある点が異なります。また、普通の風邪では効果がない抗生物質が有効である点も大きな違いです。

Q. 猩紅熱とは何ですか?

A. 猩紅熱は、A群溶血性連鎖球菌が産生する発赤毒素によって引き起こされる病気です。全身に赤い発疹が出ることが特徴です。

Q. 合併症はどのようなものがありますか?

A. リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

Q. いつ病院を受診すれば良いですか?

A. 高熱、激しい咽頭痛、リンパ節の腫れなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

Q. A群溶血性連鎖球菌咽頭炎はどのくらいの期間で治りますか?

A. 抗生物質による治療を行えば、通常1週間程度で症状は改善します。ただし、合併症を起こした場合には、治療期間が長くなることがあります。

ご自身の症状が気になる場合は、必ず医師にご相談ください。