カンピロバクター食中毒

概要

カンピロバクター食中毒は、カンピロバクター属菌という細菌が原因で起こる食中毒です。近年、食中毒の原因菌として非常に多く報告されており、特に鶏肉を介した食中毒が多数発生しています。

原因

カンピロバクター属菌は、鶏、牛、豚などの家畜や、犬、猫など様々な動物の腸管内に生息しています。生肉、特に鶏肉の表面に付着していることが多く、加熱が不十分な鶏肉を摂取することで感染することが多いです。

症状

カンピロバクター食中毒の主な症状は、下痢、腹痛、発熱です。その他、倦怠感、頭痛、悪心、嘔吐、筋肉痛などを伴うこともあります。症状は通常、数日から1週間程度で回復しますが、まれに重症化し、ギラン・バレー症候群などの神経疾患を引き起こすこともあります。

治療法

カンピロバクター食中毒の治療は、主に症状を抑える対症療法が中心となります。

  • 水分補給: 下痢による脱水を防ぐため、こまめな水分補給が大切です。
  • 整腸剤: 下痢止めや整腸剤が処方されることがあります。
  • その他の薬: 発熱がある場合は解熱剤、痛みがある場合は鎮痛剤などが処方されることがあります。

注意: 自宅でできる治療法もありますが、症状が重い場合は必ず医師に相談しましょう。

予防

カンピロバクター食中毒を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。

  • 食肉の十分な加熱: 鶏肉は特に中心部までしっかりと加熱しましょう。
  • 生食の禁止: 生の鶏肉やレバーなどは絶対に食べないようにしましょう。
  • 調理器具の衛生管理: 生肉に触れた包丁やまな板などは、よく洗って消毒しましょう。
  • 手洗いの徹底: 食材を扱う前や調理後には、必ず手を洗いましょう。
  • 生水や井戸水を飲まない: 生水や井戸水にはカンピロバクター属菌が含まれている可能性があるため、飲用は避けましょう。

Q&A

Q. カンピロバクター食中毒はどのくらいかかるものですか?

A. 症状は人によって異なり、数日から1週間程度で回復することが多いです。しかし、まれに症状が長引く場合や、合併症を引き起こす場合もあります。

Q. カンピロバクター食中毒は再発しますか?

A. 再発する可能性は低いですが、免疫力が低下している状態や、再度感染源となる食品を摂取した場合には、再発する可能性があります。

Q. 子供がかかった場合はどうすればよいですか?

A. 子供の場合は、大人よりも脱水になりやすいので、こまめな水分補給が特に重要です。症状が重い場合は、小児科を受診しましょう。

Q. ペットにも感染しますか?

A. ペットもカンピロバクター属菌に感染する可能性があります。ペットが下痢などをしている場合は、獣医師に相談しましょう。

まとめ

カンピロバクター食中毒は、十分な加熱がされていない鶏肉を食べることによって感染することが多い食中毒です。症状は下痢、腹痛、発熱などが一般的ですが、重症化することもあります。予防のためには、食肉の十分な加熱や、手洗いの徹底など、衛生的な調理を心がけることが大切です。

もし、カンピロバクター食中毒の症状が疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。