クレアチンキナーゼ(CK)は、筋肉や脳などの細胞に存在する酵素で、エネルギー代謝に関わっています。CK検査は、血液中のCKの量を測定することで、筋肉や心臓、脳などの異常を調べる検査です。
CK検査でわかること
CK検査では、主に以下のことがわかります。
- 筋肉の損傷: 筋肉が損傷すると、CKが血液中に漏れ出し、数値が上昇します。そのため、CK検査は、筋肉の損傷の程度を調べるために用いられます。
- 心臓の異常: 心筋梗塞などの心臓の筋肉が損傷する病気でも、CKが上昇します。特に、CKのうちCK-MBというアイソザイム(酵素の種類)は、心筋に特異的に存在するため、心筋梗塞の診断に有用です。
- 脳の異常: 脳梗塞や脳出血などの脳の病気でも、CKが上昇することがあります。ただし、CK-BBというアイソザイムは、血液脳関門という脳の血管のバリアによって、通常は血液中に移行しないため、脳の病気でのCKの上昇は、筋肉の損傷を伴う場合に限られます。
CKの基準値
CKの基準値は、年齢や性別、検査方法によって異なりますが、一般的には男性で50~250U/L、女性で40~150U/L程度です。
CKが基準値より高い場合に疑われる病気
CKが基準値より高い場合、以下のような病気が疑われます。
- 筋肉の病気: 筋ジストロフィー、多発性筋炎、皮膚筋炎、横紋筋融解症など
- 心臓の病気: 心筋梗塞、心筋炎など
- 脳の病気: 脳梗塞、脳出血など
- その他: 甲状腺機能低下症、腎不全、薬剤性など
ただし、激しい運動や筋肉注射などでもCKが上昇することがあるため、CKが高いからといって必ずしも病気であるとは限りません。
CKが高い場合の治療法
CKが高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。
- 筋肉の病気: ステロイド薬や免疫抑制薬などによる薬物療法、リハビリテーションなど
- 心臓の病気: カテーテル治療や薬物療法など
- 脳の病気: 血栓溶解療法やリハビリテーションなど
- その他: 原因となる病気の治療や原因となる薬剤の中止など
CKが高い場合は、医師の診察を受け、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。