血中インスリン検査でわかること
血中インスリン検査は、血液中のインスリン濃度を測定する検査です。インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を調節する重要な役割を担っています。この検査によって、以下のことがわかります。
- インスリンの分泌量: 膵臓が正常にインスリンを分泌しているか
- インスリン抵抗性: インスリンが正常に作用しているか
- 血糖値調節機能: 血糖値の変動に対するインスリンの反応
これらの情報から、糖尿病やインスリンに関わる様々な病気の診断や病態把握に役立ちます。
血中インスリンの基準値
血中インスリンの基準値は、一般的に空腹時で3.0~15.0μU/mLとされています。ただし、検査方法や施設によって異なる場合があります。また、食後や負荷試験後など、測定条件によっても変動します。
基準値より高い場合に疑われる病気
血中インスリン値が基準値より高い場合、以下の病気が疑われます。
- インスリン抵抗性症候群(メタボリックシンドローム): インスリンの作用が低下し、血糖値が上昇しやすくなります。
- 2型糖尿病: インスリン抵抗性が進行し、膵臓が過剰にインスリンを分泌しようとします。
- インスリノーマ: 膵臓のインスリン産生腫瘍で、過剰なインスリンが分泌されます。
- クッシング症候群: 副腎皮質からコルチゾールが過剰に分泌され、インスリン抵抗性を引き起こします。
- 先端巨大症: 成長ホルモンが過剰に分泌され、インスリン抵抗性を引き起こします。
これらの病気は、放置すると様々な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。
治療法
血中インスリン値が高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。
- インスリン抵抗性症候群、2型糖尿病: 食事療法、運動療法、薬物療法(インスリン抵抗性改善薬、血糖降下薬)が行われます。
- インスリノーマ: 手術による腫瘍の摘出が主な治療法です。
- クッシング症候群: 原因となる腫瘍の摘出や薬物療法が行われます。
- 先端巨大症: 手術、薬物療法、放射線療法が行われます。
いずれの場合も、医師の指示に従い、適切な治療を受けることが大切です。
血中インスリン値が高いと言われた場合は、自己判断せずに、必ず医師に相談しましょう。