TSH検査でわかること
TSH(甲状腺刺激ホルモン)は、脳下垂体から分泌されるホルモンで、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの分泌を促す役割を担っています。TSH検査では、血液中のTSH濃度を測定することで、甲状腺の機能が正常かどうかを調べることができます。
具体的には、以下のことがわかります。
- 甲状腺機能低下症の診断:TSHが高値の場合、甲状腺の機能が低下している可能性があります。
- 甲状腺機能亢進症の診断:TSHが低値の場合、甲状腺の機能が亢進している可能性があります。
- 甲状腺疾患の経過観察:甲状腺疾患の治療中、TSH値を定期的に測定することで、治療の効果や副作用を評価できます。
TSHの基準値
TSHの基準値は、一般的に0.5~5.0μIU/mLとされています。ただし、医療機関や検査方法によって基準値が異なる場合があります。
TSHが基準値より高い場合に疑われる病気
TSHが基準値より高い場合、以下の病気が疑われます。
- 橋本病(慢性甲状腺炎):自己免疫疾患の一つで、甲状腺が慢性的に炎症を起こし、機能が低下します。
- 潜在性甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモン値は正常範囲内ですが、TSHが高値を示す状態です。将来的に甲状腺機能低下症に進行する可能性があります。
- 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンの分泌が低下し、全身の代謝が低下する病気です。
TSHが基準値より高い場合の治療法
TSHが基準値より高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。
- 橋本病、甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン)を服用し、不足している甲状腺ホルモンを補充します。
- 潜在性甲状腺機能低下症:症状がない場合は経過観察となることが多いですが、将来的な甲状腺機能低下症のリスクが高い場合は、甲状腺ホルモン薬の服用を検討します。
その他
TSH検査は、甲状腺の病気を診断する上で非常に重要な検査です。気になる症状がある場合は、医療機関を受診し、医師に相談しましょう。