子宮頸部精密検査

子宮頸部精密検査でわかること

子宮頸部精密検査は、子宮頸がん検診で異常が見つかった場合に行われる、より詳しい検査です。この検査では、コルポスコピーという拡大鏡で子宮頸部を観察し、異常な組織が見つかった場合には、その組織を採取して病理検査を行います。これにより、以下のことがわかります。

  • 異形成の有無と程度: 異形成とは、がんになる前の段階の細胞の変化です。軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分類されます。
  • 子宮頸がんの有無と進行度: がん細胞の有無や、がんがどの程度進行しているかを調べます。
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染: HPVは子宮頸がんの主な原因となるウイルスです。精密検査では、HPVの種類や感染の有無を調べることがあります。

基準値

子宮頸部精密検査では、基準値というよりも、細胞や組織の状態によって結果が分類されます。主な分類は以下の通りです。

  • 正常: 異常な細胞は見られません。
  • 異形成(CIN1、CIN2、CIN3): 異形成の程度によって分類されます。CIN1は軽度異形成、CIN2は中等度異形成、CIN3は高度異形成または上皮内がんに相当します。
  • 子宮頸がん(扁平上皮がん、腺がんなど): がんの種類や進行度によって分類されます。

基準値より高い場合に疑われる病気

精密検査で異形成やがん細胞が見つかった場合、以下の病気が疑われます。

  • 子宮頸部異形成: がんになる前の段階の細胞の変化です。
  • 子宮頸がん: 子宮頸部に発生するがんです。
  • その他: まれに、他の婦人科系の病気が見つかることもあります。

治療法

治療法は、検査結果によって異なります。

  • 軽度異形成(CIN1): 自然に治ることもあるため、経過観察となることが多いです。
  • 中等度異形成(CIN2)~高度異形成(CIN3): レーザー蒸散術、凍結療法、円錐切除術などの治療が行われます。
  • 子宮頸がん: 手術、放射線療法、化学療法などが行われます。進行度によって治療法は異なります。

その他

  • 子宮頸がん検診で「要精密検査」となった場合、不安になるかもしれませんが、早期発見・早期治療のためにも、必ず精密検査を受けましょう。
  • 精密検査の結果や治療法について、医師とよく相談し、納得した上で治療を受けることが大切です。
  • 子宮頸がんはHPVへの感染が原因であることがわかっています。そのため、HPVワクチン接種も有効な予防法となります。

上記の情報が参考になれば幸いです。