子宮細胞診

子宮頸がんは、早期発見・早期治療が重要です。子宮頸がん検診は、子宮頸がんの早期発見に有効な検査です。

子宮細胞診でわかること

子宮細胞診は、子宮頸部の細胞を採取し、顕微鏡で観察する検査です。この検査では、以下のことがわかります。

  • 子宮頸がんの可能性: 異常な細胞の有無を調べ、子宮頸がんの可能性を判定します。
  • 前がん病変の可能性: がんになる前の状態である前がん病変の可能性を判定します。
  • 炎症や感染症の有無: 細菌やウイルスによる炎症や感染症の有無を調べます。

子宮細胞診の基準値

子宮細胞診の結果は、以下のように分類されます。

  • NILM(異常なし): 正常な細胞のみが見られます。
  • ASC-US(意義不明な異型扁平上皮細胞): 軽度の異常な細胞が見られますが、良性か悪性か判断できません。
  • LSIL(軽度扁平上皮内病変): 軽度の前がん病変の可能性があります。
  • HSIL(高度扁平上皮内病変): 高度の前がん病変または子宮頸がんの可能性があります。
  • ASC-H(HSILを否定できない異型扁平上皮細胞): HSILの可能性があり、より詳しい検査が必要です。
  • SCC(扁平上皮がん): 子宮頸がんです。
  • AGC(異型腺細胞): 子宮頸がんまたは他の婦人科系がんの可能性があります。
  • AIS(上皮内腺がん): 子宮頸部腺がんの初期段階です。
  • adenocarcinoma(腺がん): 子宮頸部腺がんです。

基準値より高い場合に疑われる病気

子宮細胞診で基準値より高い結果が出た場合、以下の病気が疑われます。

  • 子宮頸がん: 子宮頸部に発生するがんです。
  • 前がん病変(異形成): 子宮頸がんになる前の状態です。
  • 子宮頸部の炎症や感染症: 細菌やウイルスによる子宮頸部の炎症や感染症です。

治療法

治療法は、検査結果によって異なります。

  • NILMの場合: 定期的な検診を受けます。
  • ASC-USの場合: HPV検査を行い、必要に応じて経過観察やコルポスコピー検査を行います。
  • LSIL、HSIL、ASC-Hの場合: コルポスコピー検査と組織診を行い、確定診断に基づいて治療法を決定します。
  • SCC、AGC、AIS、adenocarcinomaの場合: 手術、放射線療法、化学療法などの治療を行います。
  • 炎症や感染症の場合: 抗菌薬や抗ウイルス薬による治療を行います。

子宮頸がん検診は、早期発見・早期治療に有効な検査です。定期的に検診を受けるようにしましょう。