終夜睡眠ポリグラフィー検査

終夜睡眠ポリグラフィー検査とは

終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG検査)は、睡眠中の脳波、呼吸、心拍、筋肉の動きなどを測定することで、睡眠の質や睡眠障害の有無を調べる検査です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)をはじめとする睡眠障害の診断に不可欠な検査であり、睡眠中の体の状態を詳しく把握することができます。

検査でわかること

PSG検査では、以下の項目を測定し、睡眠の状態を評価します。

  • 脳波: 睡眠の深さや睡眠段階(レム睡眠、ノンレム睡眠)を調べます。
  • 眼球運動: レム睡眠の有無や睡眠段階を調べます。
  • 筋電図: 睡眠中の筋肉の動きを調べ、睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害などの診断に役立てます。
  • 呼吸: 睡眠中の呼吸の状態を調べ、無呼吸や低呼吸の回数、呼吸パターンの乱れなどを評価します。
  • 心電図: 睡眠中の心拍数や心臓のリズムを調べ、睡眠と心臓の関係を評価します。
  • 血中酸素飽和度: 睡眠中の血液中の酸素濃度を調べ、睡眠時無呼吸症候群の重症度を評価します。
  • いびき: いびきの有無や程度を調べ、睡眠時無呼吸症候群の可能性を評価します。

これらのデータを総合的に分析することで、睡眠の質や睡眠障害の種類、重症度などを詳しく把握することができます。

基準値

PSG検査の基準値は、睡眠段階の割合や呼吸の状態など、さまざまな項目によって異なります。代表的な指標としては、睡眠1時間あたりの無呼吸や低呼吸の回数を示す無呼吸低呼吸指数(AHI)があり、AHIが5以上の場合に睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるとされます。

基準値より高い場合に疑われる病気

PSG検査で基準値より高い値が出た場合に疑われる代表的な病気は、以下の通りです。

  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS): 睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気で、日中の眠気や高血圧などの原因となります。
  • 周期性四肢運動障害: 睡眠中に足や腕が周期的に動く病気で、睡眠の質を低下させます。
  • レム睡眠行動障害: レム睡眠中に夢の内容に合わせて体が動いてしまう病気で、睡眠中のけがの原因となることがあります。

治療法

睡眠障害の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS): CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)やマウスピース、手術などが行われます。
  • 周期性四肢運動障害: 薬物療法や鉄剤の投与などが行われます。
  • レム睡眠行動障害: 薬物療法や環境調整などが行われます。

PSG検査の結果に基づいて、適切な治療法を選択することが重要です。睡眠に関する悩みがある場合は、専門医に相談することをおすすめします。