上部消化管X線検査(バリウム検査)

上部消化管X線検査(バリウム検査)とは

上部消化管X線検査(バリウム検査)は、食道、胃、十二指腸といった上部消化管の粘膜の状態をX線で観察する検査です。バリウムという造影剤を飲むことで、消化管の内部がX線写真に写し出され、病気の診断に役立ちます。

検査でわかること

バリウム検査では、以下のような病変や疾患を発見することができます。

  • 食道疾患: 食道がん、食道炎、食道潰瘍、食道静脈瘤など
  • 胃疾患: 胃がん、胃炎、胃潰瘍、胃ポリープなど
  • 十二指腸疾患: 十二指腸潰瘍、十二指腸ポリープなど
  • その他: 胃食道逆流症、食道裂孔ヘルニアなど

基準値

バリウム検査では、直接的な数値で表される基準値はありません。検査結果は、医師がX線写真を見て、消化管の形状や粘膜の状態を評価します。正常な場合、消化管の壁は滑らかで、バリウムが均一に広がって見えます。

基準値より高い場合に疑われる病気

バリウム検査で異常が見られた場合、以下のような病気が疑われます。

  • 食道がん・胃がん・十二指腸がん: 粘膜の凹凸、狭窄、隆起などが認められることがあります。
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍: 粘膜の欠損(ニボー像)が認められることがあります。
  • 胃ポリープ・十二指腸ポリープ: 粘膜の隆起が認められることがあります。
  • 食道炎・胃炎: 粘膜の炎症によるびらんやただれが認められることがあります。

これらの病気が疑われる場合、さらに詳しい検査(胃カメラなど)が必要になります。

治療法

バリウム検査で病気が発見された場合の治療法は、病気の種類や進行度によって異なります。

  • がん: 手術、内視鏡治療、化学療法、放射線療法など
  • 潰瘍: 薬物療法(胃酸分泌抑制薬、粘膜保護薬など)、ピロリ菌除菌療法など
  • ポリープ: 内視鏡的切除、手術など
  • 炎症: 薬物療法(抗炎症薬、胃酸分泌抑制薬など)

早期発見・早期治療が大切ですので、定期的なバリウム検査をおすすめします。