総たんぱく

総たんぱく検査でわかること

総たんぱく検査は、血液中のたんぱく質の総量を測定する検査です。たんぱく質は、私たちの体にとって非常に重要な役割を果たしており、体の構成成分となるだけでなく、免疫機能や物質の運搬など、様々な機能に関わっています。総たんぱく検査では、主に以下の2つのたんぱく質を測定します。

  • アルブミン:肝臓で生成されるたんぱく質で、血液の浸透圧を維持したり、栄養素やホルモンを運搬したりする役割があります。
  • グロブリン:免疫機能に関わるたんぱく質で、抗体などが含まれます。

総たんぱく検査の結果から、栄養状態、肝臓や腎臓の機能、免疫機能などの状態を知ることができます。

総たんぱくの基準値

総たんぱくの基準値は、一般的に6.5~8.0g/dLです。ただし、基準値は医療機関や検査方法によって異なる場合があります。

総たんぱく値が高い場合に疑われる病気

総たんぱく値が高い場合は、以下の病気が疑われます。

  • 多発性骨髄腫:骨髄で異常な細胞が増殖し、免疫グロブリンが過剰に産生される病気
  • マクログロブリン血症:骨髄で異常な細胞が増殖し、IgMという免疫グロブリンが過剰に産生される病気
  • 慢性肝炎、肝硬変:肝臓の炎症や線維化が進み、たんぱく質合成が亢進する病気
  • 自己免疫疾患:免疫機能が異常を起こし、自己抗体が産生される病気
  • 脱水症状:血液中の水分が減少し、相対的にたんぱく質濃度が高くなる状態

これらの病気が疑われる場合は、さらに詳しい検査が必要になります。

総たんぱく値が高い場合の治療法

総たんぱく値が高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 多発性骨髄腫、マクログロブリン血症:化学療法、放射線療法、造血幹細胞移植など
  • 慢性肝炎、肝硬変:原因となるウイルスの除去、肝臓保護薬の投与、食事療法など
  • 自己免疫疾患:免疫抑制薬、ステロイド薬など
  • 脱水症状:水分補給

医師は、患者さんの状態や検査結果に基づいて、適切な治療法を選択します。

総たんぱく検査は、私たちの健康状態を知るための重要な検査の一つです。検査結果について疑問や不安がある場合は、医師に相談するようにしましょう。