胆汁色素

胆汁色素とは

胆汁色素とは、胆汁に含まれる色素のことで、主にビリルビンを指します。ビリルビンは、寿命を終えた赤血球が分解される際に生成される黄色い色素です。生成されたビリルビンは、肝臓で処理され、胆汁として十二指腸に排出されます。

検査でわかること

胆汁色素の検査では、主に以下のことがわかります。

  • 肝臓の機能: 肝臓でビリルビンが適切に処理されているかを評価します。
  • 胆道の状態: 胆汁の流れがスムーズであるかを評価します。
  • 溶血の有無: 赤血球が過剰に破壊されている状態(溶血)がないかを評価します。

胆汁色素の検査は、血液検査で行われます。主に総ビリルビン、直接ビリルビン、間接ビリルビンの3つの項目を測定します。

  • 総ビリルビン: 血液中のビリルビンの総量を測定します。
  • 直接ビリルビン: 肝臓で処理されたビリルビンを測定します。
  • 間接ビリルビン: 肝臓で処理される前のビリルビンを測定します。

基準値

胆汁色素の基準値は、以下のとおりです。

  • 総ビリルビン: 0.2~1.2mg/dL
  • 直接ビリルビン: 0.0~0.4mg/dL
  • 間接ビリルビン: 0.2~0.8mg/dL

ただし、基準値は検査機関によって若干異なる場合があります。

基準値より高い場合に疑われる病気

胆汁色素の値が基準値より高い場合、以下の病気が疑われます。

  • 肝臓の病気: 肝炎、肝硬変、肝臓がんなど
  • 胆道の病気: 胆石、胆道がん、胆管炎など
  • 溶血性疾患: 溶血性貧血など
  • その他: 体質性黄疸(ジルベール症候群など)

これらの病気は、ビリルビンの生成、処理、排出のいずれかの過程に異常が生じることで、ビリルビン値が上昇します。

治療法

胆汁色素が高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 肝臓の病気の場合: 肝炎であれば抗ウイルス薬、肝硬変であれば肝庇護薬など、病状に応じた薬物療法や食事療法が行われます。
  • 胆道の病気の場合: 胆石であれば手術や内視鏡治療、胆道がんであれば手術、化学療法、放射線療法などが行われます。
  • 溶血性疾患の場合: 溶血性貧血であれば輸血や薬物療法などが行われます。
  • 体質性黄疸の場合: 多くの場合、治療は不要ですが、必要に応じて薬物療法が行われることがあります。

胆汁色素の値が高い場合は、自己判断せずに、必ず医師の診断を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。