乳房超音波検査(乳房エコー検査)

乳房超音波検査(乳房エコー検査)とは

乳房超音波検査(乳房エコー検査)は、超音波を使って乳房の内部を観察する検査です。放射線を使用しないため、妊娠中や授乳中の女性も安心して受けることができます。乳房のしこりや乳腺の変化を詳しく調べることができ、乳がんの早期発見や良性疾患の診断に役立ちます。

検査でわかること

乳房超音波検査では、主に以下のことがわかります。

  • しこりの有無、大きさ、性状: 乳房内のしこりの有無や、その大きさ、形状、内部の構造などを確認します。
  • 乳腺の変化: 乳腺の密度や構造の変化、乳管の拡張などを観察します。
  • 血流の状態: カラードプラ法を用いることで、しこりや乳腺の血流の状態を調べることができます。
  • リンパ節の状態: 腋窩リンパ節などの状態を確認し、転移の可能性を評価します。

基準値

乳房超音波検査では、明確な基準値というものはありません。検査結果は、医師が画像を見て総合的に判断します。しかし、一般的な指標として、以下のような点に注目します。

  • しこりの大きさ: 一般的に、2cm以下のしこりは早期発見、2cm以上は進行がんの可能性があります。
  • しこりの形状: 境界が不明瞭で不整形なものは、悪性の可能性が高くなります。
  • 内部エコー: 内部エコーが不均一なものや、後方エコーが増強されるものは、悪性の可能性が高くなります。

基準値より高い場合に疑われる病気

乳房超音波検査で異常が見られた場合、以下のような病気が疑われます。

  • 乳がん: 乳房にできる悪性腫瘍です。早期発見・早期治療が重要です。
  • 線維腺腫: 乳腺にできる良性の腫瘍です。若い女性に多く見られます。
  • 乳腺症: 乳腺組織が過剰に増殖する良性の病気です。
  • 乳腺嚢胞: 乳腺にできる液体の溜まった袋です。
  • 葉状腫瘍: 乳腺にできる比較的まれな腫瘍で、良性のものと悪性のものがあります。

治療法

乳房超音波検査で異常が見つかった場合の治療法は、病気の種類や進行度によって異なります。

  • 乳がん: 手術、放射線治療、薬物療法(化学療法、ホルモン療法、分子標的治療)などが行われます。
  • 線維腺腫: 基本的には経過観察となりますが、大きくなる場合や症状がある場合は手術で摘出することもあります。
  • 乳腺症: 症状に応じて、薬物療法や漢方薬などが用いられます。
  • 乳腺嚢胞: 基本的には経過観察となりますが、大きくなる場合や症状がある場合は穿刺吸引で液体を抜くことがあります。
  • 葉状腫瘍: 手術で摘出します。

乳房超音波検査は、乳房の健康状態を知るための有効な検査です。定期的に検査を受けることで、早期発見・早期治療につなげることができます。