尿糖

尿糖検査でわかること

尿糖検査は、尿中に含まれるブドウ糖の量を測定する検査です。通常、健康な人の尿にはほとんど糖が含まれません。しかし、血糖値が異常に高くなると、腎臓で糖を再吸収しきれなくなり、尿中に糖が排出されます。そのため、尿糖検査は糖尿病のスクリーニング検査として広く用いられています。

尿糖検査でわかることは以下の通りです。

  • 糖尿病の可能性: 尿糖が陽性の場合、糖尿病の可能性が考えられます。
  • 腎臓の機能: 尿糖の量から、腎臓の糖再吸収能力を推測できます。
  • その他の病気の可能性: 尿糖は、糖尿病以外にも、腎性糖尿や甲状腺機能亢進症などの病気で陽性になることがあります。

尿糖の基準値

尿糖の基準値は、通常陰性(-)です。しかし、食後やストレスなどで一時的に陽性になることもあります。

  • 陰性(-):尿中に糖が検出されない状態
  • 陽性(+):尿中に微量の糖が検出される状態
  • 強陽性(++以上):尿中に多量の糖が検出される状態

尿糖が陽性の場合でも、必ずしも糖尿病とは限りません。しかし、陽性が続く場合や、強陽性の場合には、医療機関を受診して、詳しい検査を受けることが大切です。

尿糖が高い場合に疑われる病気

尿糖が高い場合に疑われる病気は、主に以下の通りです。

  • 糖尿病: 血糖値が慢性的に高くなる病気です。
  • 腎性糖尿: 腎臓の糖再吸収能力が低下する病気です。
  • 甲状腺機能亢進症: 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
  • 膵臓の病気: 膵炎や膵臓がんなどで、血糖値が上昇することがあります。
  • クッシング症候群: 副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気です。

これらの病気は、早期発見・早期治療が大切です。尿糖が高い場合には、自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。

尿糖が高い場合の治療法

尿糖が高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 糖尿病の場合: 食事療法、運動療法、薬物療法(インスリン注射や経口血糖降下薬)などを行います。
  • 腎性糖尿の場合: 基本的に治療の必要はありませんが、血糖値が高くなる場合には、食事療法や薬物療法を行うことがあります。
  • 甲状腺機能亢進症の場合: 薬物療法、放射線療法、手術などを行います。
  • その他の病気の場合: 原因となる病気の治療を行います。

いずれの場合も、医師の指示に従って、適切な治療を受けることが大切です。

尿糖検査は、手軽にできる検査ですが、結果だけで自己判断せずに、必ず医師に相談するようにしましょう。