ブドウ糖負荷試験

検査でわかること

ブドウ糖負荷試験では、以下のことがわかります。

  • 糖尿病の診断:空腹時血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)だけでは診断が難しい初期の糖尿病を発見できます。
  • 境界型糖尿病の発見:将来的に糖尿病を発症するリスクが高い境界型糖尿病を発見できます。
  • インスリン分泌能の評価:血糖値の変化から、インスリンを分泌する能力を評価できます。
  • インスリン抵抗性の評価:インスリンの効果が低下している状態(インスリン抵抗性)を評価できます。
  • 妊娠糖尿病の診断:妊娠中の女性に対して行われることがあり、妊娠糖尿病の診断に用いられます。

基準値

ブドウ糖負荷試験の基準値は、以下の通りです。

  • 空腹時血糖値:110mg/dL未満
  • 2時間後の血糖値:140mg/dL未満

これらの基準値を超えると、糖尿病型、もしくは境界型と診断されます。

  • 糖尿病型:空腹時血糖値126mg/dL以上、または2時間後の血糖値200mg/dL以上
  • 境界型:空腹時血糖値110mg/dL以上126mg/dL未満、かつ2時間後の血糖値140mg/dL以上200mg/dL未満

基準値より高い場合に疑われる病気

ブドウ糖負荷試験で基準値より高い値が出た場合、以下の病気が疑われます。

  • 糖尿病:血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用不足により、慢性的に高血糖となる病気です。
  • 境界型糖尿病(耐糖能異常):糖尿病には至っていないものの、血糖値が正常よりも高い状態です。将来的に糖尿病を発症するリスクが高いとされています。
  • 妊娠糖尿病:妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常です。

治療法

ブドウ糖負荷試験で基準値より高い値が出た場合の治療法は、病気の種類や状態によって異なります。

  • 糖尿病:食事療法、運動療法、薬物療法(経口血糖降下薬、インスリン注射など)を行います。
  • 境界型糖尿病:食事療法や運動療法などの生活習慣改善が中心となります。必要に応じて、薬物療法を行う場合もあります。
  • 妊娠糖尿病:食事療法、運動療法が基本ですが、血糖コントロールが難しい場合はインスリン注射を行うことがあります。

ブドウ糖負荷試験の結果について気になることがある場合は、医師に相談するようにしましょう。