平衡機能検査

平衡機能検査は、私たちの体がバランスを保つ能力を評価するための検査です。この検査を通じて、めまいやふらつきの原因となる病気を特定し、適切な治療へとつなげることができます。

平衡機能検査でわかること

平衡機能は、内耳にある三半規管、小脳、そして視覚や体性感覚といった複数の器官が連携することで維持されています。平衡機能検査では、これらの器官の機能が正常かどうかを評価し、以下の情報を得ることができます。

  • めまいの原因: 内耳性、中枢性、またはその他の原因によるめまいかを特定します。
  • 平衡機能の低下: 平衡感覚のどの部分に異常があるかを特定します。
  • 病気の特定: めまいやふらつきの原因となる病気を特定します。

基準値

平衡機能検査の基準値は、検査の種類や施設によって異なります。一般的な検査と基準値の例は以下の通りです。

  • 重心動揺検査: 開眼時と閉眼時の体の揺れ幅を測定し、基準値と比較します。
  • 足踏み検査: 閉眼状態で足踏みをした際の体のずれを測定し、基準値と比較します。
  • 眼振検査: 眼球の動きを観察し、異常な眼振がないかを調べます。

これらの検査結果は、医師が総合的に判断し、基準値から大きく外れる場合には、さらなる検査や治療が必要となることがあります。

基準値より高い場合に疑われる病気

平衡機能検査で基準値よりも高い数値が出た場合、以下のような病気が疑われます。

  • 良性発作性頭位めまい症: 特定の頭の位置でめまいが起こります。
  • メニエール病: 内耳のリンパ液が増加し、めまいや耳鳴り、難聴を引き起こします。
  • 前庭神経炎: 前庭神経に炎症が起こり、激しいめまいを引き起こします。
  • 脳血管障害: 脳梗塞や脳出血などが原因でめまいやふらつきが起こります。
  • 小脳疾患: 小脳の機能障害により、平衡感覚が乱れます。

治療法

平衡機能検査の結果に基づいて、以下のような治療法が選択されます。

  • 薬物療法: めまいや吐き気を抑える薬、内耳の血流を改善する薬などが使用されます。
  • リハビリテーション: バランス感覚を改善するための訓練を行います。
  • 手術: 病気によっては、手術が必要となる場合があります。
  • 生活習慣の改善: ストレスや睡眠不足を避け、規則正しい生活を送ることが大切です。

めまいやふらつきを感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。