ヘマトクリット

ヘマトクリット検査でわかること

ヘマトクリット(Ht)とは、血液中に占める赤血球の割合を示す値です。血液検査で測定され、貧血の診断や、赤血球が増加する病気の発見に役立ちます。ヘマトクリット値は、赤血球数、ヘモグロビン濃度と密接に関連しており、これらの値を総合的に判断することで、より正確な診断が可能になります。

ヘマトクリットの基準値

ヘマトクリットの基準値は、性別や年齢によって異なります。一般的な基準値は以下の通りです。

  • 男性:40~52%
  • 女性:35~45%

これらの基準値はあくまで目安であり、医療機関によって異なる場合があります。

ヘマトクリット値が高い場合に疑われる病気

ヘマトクリット値が基準値よりも高い場合、以下の病気が疑われます。

  • 多血症: 赤血球が異常に増加する病気です。原因不明の真性多血症と、他の病気が原因で起こる二次性多血症があります。
  • 脱水症: 体内の水分が不足すると、血液が濃縮され、ヘマトクリット値が高くなります。
  • 肺疾患: 慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患では、酸素不足を補うために赤血球が増加し、ヘマトクリット値が高くなることがあります。
  • 腎臓疾患: エリスロポエチンという赤血球を増やすホルモンが過剰に分泌されるため、ヘマトクリット値が高くなることがあります。
  • 喫煙: 喫煙は、ヘマトクリット値を上昇させる要因の一つです。

ヘマトクリット値が高い場合の治療法

ヘマトクリット値が高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 多血症: 瀉血(しゃけつ)療法や薬物療法が行われます。
  • 脱水症: 水分補給を行います。
  • 肺疾患: 原因となる肺疾患の治療を行います。
  • 腎臓疾患: 原因となる腎臓疾患の治療を行います。
  • 喫煙: 禁煙します。

ヘマトクリット値が高い場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。