C反応性たんぱく質(CRP)は、体内で炎症や組織の損傷が起こった際に、肝臓で産生されるタンパク質の一種です。CRP検査は、血液中のCRP濃度を測定することで、体内の炎症状態を把握するために行われます。
検査でわかること
CRP検査では、以下のことがわかります。
- 体内の炎症の有無と程度: CRP値が高いほど、体内で強い炎症が起きている可能性が高くなります。
- 疾患の活動性: リウマチ性疾患や炎症性腸疾患など、慢性的な炎症性疾患の活動性を評価するために用いられます。
- 治療の効果: 感染症や炎症性疾患の治療効果を判定するために、CRP値の推移を観察します。
- 感染症の重症度: 細菌感染症の重症度を評価するのに役立ちます。
ただし、CRP値の上昇は、炎症や組織損傷に対する非特異的な反応であるため、CRP検査だけで原因疾患を特定することはできません。
基準値
CRPの基準値は、一般的に0.3mg/dL以下とされています。ただし、検査方法や施設によって基準値が異なる場合があります。
基準値より高い場合に疑われる病気
CRP値が基準値よりも高い場合、以下のような疾患が疑われます。
- 感染症: 細菌、ウイルス、真菌などによる感染症(肺炎、尿路感染症、敗血症など)
- リウマチ性疾患: 関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛症など
- 炎症性腸疾患: クローン病、潰瘍性大腸炎など
- 悪性腫瘍: 癌組織の炎症反応
- 心血管疾患: 心筋梗塞、動脈硬化など
- その他: 外傷、手術後、熱傷など
CRP値の上昇は、これらの疾患以外にも、様々な原因で起こり得ます。
治療法
CRP値が高い場合の治療は、原因となっている疾患によって異なります。
- 感染症: 原因菌に合わせた抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などによる治療
- リウマチ性疾患: 抗リウマチ薬、ステロイド薬、生物学的製剤などによる治療
- 炎症性腸疾患: 炎症を抑える薬、免疫調節薬、生物学的製剤などによる治療
- 悪性腫瘍: 手術、化学療法、放射線療法など
- 心血管疾患: 薬物療法、カテーテル治療、手術など
CRP値が高い場合は、医師の診察を受け、適切な検査と治療を受けることが重要です。
CRP検査は、あくまでも体内の炎症状態を把握するための指標であり、他の検査結果や症状と合わせて総合的に判断する必要があります。