HIV検査でわかること
HIV検査は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染しているかどうかを調べる検査です。HIVは、免疫機能を破壊し、エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症させるウイルスです。早期発見・早期治療によって、エイズの発症を予防し、健康な人と変わらない生活を送ることが可能です。
基準値
HIV検査には、主に以下の2つの方法があります。
- 抗体検査:HIVに対する抗体の有無を調べます。
- 陰性:HIV抗体が検出されない場合
- 陽性:HIV抗体が検出された場合
- 抗原・抗体検査:HIV抗体と、HIVの構成成分である抗原の両方を調べます。
- 陰性:HIV抗体、抗原ともに検出されない場合
- 陽性:HIV抗体、または抗原が検出された場合
抗体検査で陽性となった場合は、確認検査(ウェスタンブロット法など)が行われ、最終的な診断が確定します。
基準値より高い場合に疑われる病気
HIV検査で陽性となった場合は、HIV感染が疑われます。ただし、偽陽性(実際には感染していないのに陽性と判定される)の場合もあるため、必ず確認検査が必要です。
HIV感染が確定した場合、以下のような病気を発症するリスクが高まります。
- エイズ(後天性免疫不全症候群):免疫機能が著しく低下し、日和見感染症や悪性腫瘍などを発症します。
- 日和見感染症:健康な人では発症しないような病原体による感染症です。
- 悪性腫瘍:カポジ肉腫、悪性リンパ腫など。
治療法
HIV感染症の治療は、抗HIV療法(ART)が中心となります。ARTは、複数の抗HIV薬を組み合わせることで、HIVの増殖を抑制し、免疫機能の低下を防ぐ治療法です。
ARTによって、以下のような効果が期待できます。
- エイズの発症予防
- 日和見感染症のリスク低減
- 健康な人と変わらない生活を送ることが可能
- 他者への感染リスク低減
ARTは、早期に開始し、継続することが重要です。適切な治療によって、HIV感染者は健康な人と変わらない生活を送ることができます。
HIV検査は、保健所や医療機関で受けることができます。早期発見・早期治療のために、不安な場合は検査を受けましょう。