滲出性中耳炎の原因と症状

滲出性中耳炎とは

滲出性中耳炎とは、中耳内に炎症や病原体感染がないにもかかわらず、中耳内に液体が溜まってしまう状態を指します。この液体がたまることで、耳鳴り、聴力の低下、耳閉感、頭痛、めまいなどの症状が現れることがあります。原因としては、上気道感染症やアレルギー、気管支喘息などが挙げられます。治療には、抗アレルギー薬や抗炎症薬、中耳通気管(チューブ)挿入術などが行われることがあります。

滲出性中耳炎の症状

滲出性中耳炎の症状は、以下のようなものがあります。
  • 耳鳴りや耳閉感
  • 聴力の低下
  • 耳から分泌物が出ることがある
  • 耳の痛みや圧迫感
  • 頭痛やめまい
  • 子どもの場合は、発音や言葉の遅れが生じることがある

これらの症状は、中耳にたまった液体が耳腔内に圧力をかけることで生じます。中耳内に液体が溜まる原因としては、上気道感染症やアレルギー、気管支喘息などが挙げられます。もし、これらの症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診することが必要です。

滲出性中耳炎の原因

滲出性中耳炎の原因は、以下のようなものがあります。
  1. 上気道感染症:風邪やインフルエンザなどのウイルス感染や、細菌感染が原因で、鼻腔や咽頭からの炎症が中耳に広がり、中耳内に液体がたまることがあります。
  2. アレルギー:アレルギーによる鼻炎や副鼻腔炎が原因で、鼻腔や咽頭の粘膜が腫れ上がり、中耳内の通気を阻害し、中耳に液体がたまることがあります。
  3. 気管支喘息:気管支喘息の発作が起こると、気管支が収縮し、酸素を取り入れるために口呼吸をすることが増えます。口呼吸をすると、喉の粘膜が乾燥し、中耳内の通気が悪くなり、中耳に液体がたまることがあります。
  4. その他の原因:中耳炎や耳管開放不全症候群など、中耳内の病気や機能障害が原因で、中耳に液体がたまることがあります。

これらの原因によって、中耳内に液体がたまり、炎症や病原体感染がないのに滲出性中耳炎が発症することになります。

滲出性中耳炎の治療法

滲出性中耳炎の治療法には、以下のようなものがあります。
  1. 保存療法:中耳内の液体が自然に吸収されるのを待つ方法です。一般的には、軽症の場合は自然に治癒することがありますが、重症の場合や症状が長期間続く場合は、他の治療法を検討する必要があります。
  2. 抗アレルギー薬:アレルギーによる滲出性中耳炎の場合は、抗アレルギー薬を用いてアレルギー反応を抑制し、症状を改善することがあります。
  3. 抗炎症薬:中耳内に炎症がある場合は、抗炎症薬を用いて炎症を抑えることがあります。
  4. 中耳通気管(チューブ)挿入術:中耳内の液体を除去し、通気を確保するために、中耳にチューブを挿入する方法です。手術によって行われ、通常は簡単な局所麻酔で行われます。
  5. 手術:中耳内に腫瘍や病変がある場合は、手術が必要になることがあります。

治療法は個人差がありますので、医師と相談して最適な治療法を選択することが必要です。また、治療後も定期的に検診を受け、再発を防止することが重要です。

滲出性中耳炎と診断されたら

滲出性中耳炎と診断された場合は、以下のようなことが推奨されます。
  1. 医師の指示に従う:医師から指示された治療法や薬剤の使用方法に従うことが大切です。治療期間や頻度も指示されるので、それに従うようにしましょう。
  2. 耳の清潔を保つ:耳の中を清潔に保つことが大切です。耳掃除は、医師の指示に従い、適切な方法で行いましょう。
  3. 禁煙する:喫煙は、中耳炎を悪化させる可能性があるため、禁煙することが望ましいです。
  4. 継続的な経過観察:治療後も定期的に耳鼻咽喉科を受診し、経過観察を行うことが重要です。再発を防止するために、検診の指示に従うようにしましょう。
  5. 予防に努める:中耳炎の原因となる風邪やインフルエンザなどの感染症や、アレルギー症状を改善することで、再発を防止することができます。適切な予防方法について、医師に相談することが望ましいです。

滲出性中耳炎は、重症化することもあるため、早期発見・早期治療が重要です。症状がある場合は、早めに医師に相談することが大切です。

滲出性中耳炎の予防法

滲出性中耳炎の予防法には、以下のようなものがあります。
  1. 感染症の予防:中耳炎の原因となる風邪やインフルエンザなどの感染症を予防することが重要です。手洗いやうがい、マスクの着用など、日常的な感染症予防対策を徹底することが望ましいです。
  2. アレルギー症状の改善:アレルギーが原因で中耳炎が起こる場合は、アレルギー症状を改善することが予防につながります。アレルギーの原因物質を避けたり、抗アレルギー薬の使用などが有効です。
  3. 禁煙する:喫煙は、中耳炎のリスクを高めるため、禁煙することが望ましいです。
  4. 乳幼児の授乳:授乳によって、乳幼児の免疫力が向上するため、中耳炎のリスクを低減することができます。
  5. 早期治療:中耳炎の症状がある場合は、早期に医師の診断と適切な治療を受けることが予防につながります。

滲出性中耳炎の予防には、個人差があります。自身の体調や生活環境に合わせて、適切な予防法を見つけることが大切です。また、定期的な健康診断や耳鼻咽喉科の受診も予防につながります。