水痘(水疱瘡)の原因と症状

水痘とは

水痘(すいとう、英: chickenpox)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-zoster virus)によって引き起こされる伝染病の一種です。主に子供に感染しやすく、感染すると発疹、発熱、かゆみなどの症状が現れます。発疹は、最初に赤い斑点として現れ、それが水疱となって周りに広がります。水痘は、通常は自然治癒しますが、稀に合併症を引き起こすことがあります。水痘ワクチンが開発され、予防接種が行われるようになっています。

水痘の症状

水痘の症状には以下のようなものがあります。
  • 発疹:赤い斑点から水疱に変わり、全身に広がります。疱が破けると傷跡が残ることがあります。
  • 発熱:38℃以上の発熱があることがあります。
  • かゆみ:水疱がかゆくなり、掻いてしまうことがあります。
  • 頭痛:頭痛がすることがあります。
  • 喉の痛み:喉の痛みや咳が出ることがあります。
  • 食欲不振:食欲が落ちることがあります。
  • 疲れやすさ:疲れやすくなることがあります。

症状は感染した人によって異なる場合がありますが、発疹が最も特徴的な症状であり、他の症状と合わせて判断されます。水痘の症状は通常1週間から10日間程度続きます。

水痘の原因

水痘の原因は水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-zoster virus)による感染です。このウイルスは、感染した人が咳やくしゃみ、あるいは水疱の液体を触った手で物を触ったりすることによって、口や鼻から放出された飛沫を介して伝染します。また、空気中に浮遊している微小な粒子によっても伝染することがあります。

水痘は、感染した人が発病する前から数日間は、すでに感染力を持っているため、周りの人が感染する危険性が高くなります。感染した人は、症状が現れる前にも他の人にウイルスを感染させることがあるため、感染拡大のリスクを低減するためには、手洗いやマスクの着用などの感染予防対策が重要です。

水痘の治療法

水痘は、通常は自然治癒しますが、症状の緩和や合併症の予防のために、以下のような治療法があります。
  • 痒み止め薬:かゆみを緩和するために、痒み止めの薬を処方することがあります。
  • 解熱剤:発熱がある場合には、解熱剤を処方することがあります。
  • 抗ウイルス薬:水痘の初期に抗ウイルス薬を投与することで、症状の軽減や短縮につながることがあります。ただし、抗ウイルス薬は副作用もあるため、必ず医師の指示に従って使用する必要があります。

また、水痘によって合併症が起こる場合があります。合併症が疑われる場合には、迅速な治療が必要です。例えば、水痘が目に感染した場合には、網膜炎や角膜炎のリスクがあり、眼科医の診察が必要です。水痘が重症化し、肺炎や脳炎を引き起こした場合には、入院治療が必要です。

水痘と診断されたら

水痘と診断された場合、以下のような対処法があります。
  1. 症状の緩和:かゆみを緩和するために、痒み止めの薬を使用することができます。また、発熱がある場合には、解熱剤を使用することができます。
  2. 休息と食事:水痘にかかった場合は、充分な休息と栄養の摂取が必要です。水分を十分に摂取し、バランスのとれた食事を心がけましょう。
  3. 感染拡大の予防:水痘は感染力が強いため、感染拡大を防ぐために、家族や周りの人に対しても感染予防対策を行うことが必要です。手洗いやマスクの着用、感染が疑われる場合には医療機関を受診することが大切です。
  4. 医師の指示に従う:治療方法や注意点は、病状や個人差によって異なるため、医師の指示に従って治療を進めましょう。また、合併症が疑われる場合には、迅速に医療機関を受診することが必要です。

水痘の予防法

水痘は高い感染力を持っているため、予防するためには以下のような対策が必要です。
  1. ワクチン接種:水痘のワクチンは、水痘ウイルスに対する抗体をつくることで、水痘の発症を予防する効果があります。2回の接種が推奨されています。
  2. 感染予防対策:水痘の感染力は非常に強いため、感染予防対策が重要です。手洗いやアルコール消毒などの衛生管理を徹底することが大切です。また、感染が疑われる場合には早めに医療機関を受診し、周囲への感染拡大を防ぎましょう。
  3. 患者との接触回避:水痘に感染している患者との接触を避けることが予防につながります。特に、妊娠中の女性や免疫力が低下している人は、水痘にかかると合併症が起こりやすく、注意が必要です。
  4. 免疫力の維持:免疫力を維持することで、水痘にかかるリスクを低くすることができます。バランスのとれた食生活や運動などで免疫力を高め、健康的な生活を心がけましょう。