狭心症予防の最大のポイントは動脈硬化を進行させないことに尽きます。
つまり動脈硬化を促進する危険因子を取り除くことが狭心症予防に直結するのです。
狭心症の危険因子
- 喫煙
- 生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満)
- 運動不足
- ストレス、過労
肥満は万病のもと
BMI(Body Mass Index)を計算し、肥満かどうかのチェックをしましょう。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
計算例)体重65kg、身長160cmの場合はBMI=65÷1.6÷1.6=25.4
日本肥満学会はBMIの数値が25以上だと「肥満」と定義しています。
しかし、25未満だからと安心は禁物です。肥満には皮下脂肪型と内臓脂肪型という2種類があり、とくに内蔵に過剰に脂肪がたまった状態の内臓脂肪型肥満は高血圧や高脂血症など様々な病気を引き起こす要因になります。
こうした内臓脂肪型肥満で複数の生活習慣病を合併している状態を「メタボリックシンドローム」と呼びます。
メタボリックシンドロームの診断基準では、ウエストのサイズが男性で85cm以上、女性で90cm以上となっています。
生活習慣を見直そう
食塩の摂取は1日6g未満
食塩の過剰な摂取は血圧を上昇させます。
高コレステロール食材は控える
高脂血症の場合はコレステロールを摂取し過ぎると血液中にもコレステロールが増えます。
コレステロールの多い食品
- 卵黄
- バター
- レバー
- いか
- すじこ
- うなぎ
- たらこ
食物繊維の多い食品をとる
食物繊維はコレステロールを吸着し体外へ排出する働きがあります。
不飽和脂肪酸の多い食品をとる
脂肪を構成する脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があります。
飽和脂肪酸はコレステロールを増やしてしまいますが、不飽和脂肪酸は逆にコレステロール値を下げる効果があります。
飽和脂肪酸の多い食品(とりすぎ注意!)
- 肉の脂肪(牛、豚、鶏など)
- 乳脂肪(チーズ、生クリームなど)
不飽和脂肪酸の多い食品(積極的にとろう!)
- 魚の脂肪(まぐろ、さば、いわしなど)
- 植物油(オリーブ油、コーン油、大豆油など)
無理のない運動を
適切な運動は心肺機能や筋肉の機能を向上させ血液循環を良好にします。
肥満解消だけではなく血圧低下やメタボリックシンドローム改善も期待できます。
ウォーキングやサイクリング、エアロビクスなど、手軽に長続きできそうな有酸素運動から初めてみてはいかがでしょうか?
しかし、何事もやり過ぎには注意です。
運動療法は必ずしも降圧効果が認められているわけではありません。
心臓や腎臓に持病がある人、重度の高血圧の人は運動療法のまえに必ず医師の指示を受けましょう。
ストレスは大敵
狭心症になりやすいのはA型性格(実際の血液型とは無関係です)といわれています。
A型性格の特徴
- 食べるのも歩くのも早い
- 運転中に追い抜かれると抜き返したくなる
- 何事も徹底的にやらなければ気が収まらない
このような人は競争心が強く完璧主義タイプです。
一方、マイペースでのんびりしている人はB型性格と呼ばれています。
狭心症などの虚血性心疾患を発症しやすいのは一般的にA型性格に多いとされています。
性格をかえるというのはかんたんなことではありませんが、まずはゆっくり歩き、食事を楽しみ、話すスピードを落とすところから初めてみましょう。
たばこはやめましょう
喫煙者でたばこが体に悪いということを自覚していない人はおそらくいないでしょう。
頭ではわかっていても喫煙習慣から抜け出せないという人がほとんどだと思いますが、喫煙による心臓への悪影響を知ることから始めましょう。
喫煙によるニコチン摂取で交感神経が刺激され、脈拍数が増え血圧が上昇します。
また血液中の一酸化炭素が増え心筋への酸素供給量が減ってしまいます。
そのほかにも血管の内側の細胞にダメージを与え動脈硬化を促したり善玉コレステロールを減少させ悪玉コレステロールを増加させることがわかってきました。
喫煙による狭心症のリスクは確実に増大します。
それでも喫煙を続けるか卒煙するかはアナタ次第。