バセドウ眼症

眼の症状が出る人は20〜30%

バセドウ病というと、眼球が突出するといった目の症状がよく知られています。バセドウ眼症といいますが、すべての人に起こるわけではなく、10人のうち2〜3人程度です。

バセドウ眼症には2つのタイプがある

バセドウ病では、すべての患者ではありませんが、目の症状が起こることがあります。これをバセドウ眼症といい、大きく分けて2つの症状があります。

ひとつは、眼瞼後退(がんけんこうたい)といい、まぶたがつりあがり、目が見開いたようにみえるもの。もうひとつは、眼球突出といい、眼球の奥の筋肉や脂肪組織の量が多くなり、眼球が飛び出るものです。

目の症状を治すには、甲状腺機能亢進症の治療が不可欠です。

原因不明のため予防法もないが

なぜバセドウ眼症が起こるのか、原因は不明です。ですから、予防法もありません。

ただし、タバコを吸う人は目の症状が強いという傾向があるので、禁煙するほうがよいでしょう。

いちばんの予防法は気持ちを明るくもつこと。少しでも精神的なストレスを軽減することが、症状の緩和につながります。

眼症のための治療が必要

バセドウ眼症のうち眼瞼後退は、抗甲状腺薬を服用するとよくなることがあります。

しかし、眼球突出といった目の症状には、残念ながらあまり効果がありません。甲状腺機能が正常になっても、目の症状は残ることが多いようです。

この場合、バセドウ病をよく知る眼科を受診し、適切な治療を受ける必要があります。

眼科での治療

眼科では、目の障害のタイプや程度をよく調べ、その状態に合わせて、治療をしていきます。

たとえば、まぶたのむくみや眼球の痛みなどには副腎皮質ホルモンが用いられます。また、ものが二重にみえる複視や視力障害がある場合は、手術で眼球の奥のスペースを広げる処置をおこないます。眼球突出がひどい場合は、放射線を用いがリニアック治療という方法があります。

いずれも根気よく治療を続ければ、改善が期待できます。